文部科学省が示す学習指導要領に「学校図書館を計画的に活用し授業改善に生かす」と明記されているように、学校図書館は教育のインフラとして、生徒のみなさんの学習活動を支え、情報活用能力と読む力を育む活動支援を授業内外で行っています。

 このコンクールは、そんな学校図書館の図書資料や、1人1台タブレットでアクセスできるデジタルのいずれかに偏ることなく、多様な資料やICTを活用して情報活用のプロセスを経験し学習することができる授業実践を表彰するもので、今回、久美浜学舎は京都府で初めて、優秀賞を受賞することになりました。

 受賞対象となった授業は、「みらい探究Ⅰ」で1学期に実施している授業案の一例で、LL教室の後ろの壁に掲示している「職業調べ」の取り組みです。

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 小説を読んでイメージを膨らませ、実用書やなるにはBOOKS、体験記などで情報を集め、マインドマップで情報を整理し、生徒自身で決めたコンセプトに基づいて1枚のポスターにまとめたこの授業は、現在のみらいクリエイト科3年生は「食べ物」で、1・2年生は「国」をテーマに取り組んでいる授業とねらいは同じで、様々な種類の情報を集めて、客観的に比較し、分析し、表現するという探究活動の基本形をトレース学習したものです。テーマが変わっても、探究でも課題研究でも、学びの基本形や手法はそう変わるものではありません。

 次回、LL教室に行ったときには、ぜひ先輩たちの受賞作品集を観察して、自分の学びに変換してみましょう!

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 1棟3階、学校図書館の隣の部屋を、みなさん覗いたことはありますか?

 丹後地方の図書や新聞記事など、地域課題の学習に欠かせない資料群を集めた地域資料室です。このたびそこに、本学舎の前身・京都府立久美浜高等学校時代の記録を集めたコーナーができました!

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 カヌー部はもちろん、農業クラブの全国コンクール入賞や、野球部の甲子園での活躍等々を伝えるトロフィーや、創立30周年や50周年を祝った盃、懐かしの生徒手帳まで、丹後緑風高校久美浜学舎につながる系譜をぜひ一度見学してください。

 歴代の卒業アルバムや創立60・80・100周年の記念誌も、ここに置いています。とても貴重な学校記録なので、大切に扱いつつ、みなさんの学校生活の1ページもいずれここに刻まれることを少し意識して、毎日の学校生活を大切にしてもらえたらうれしいです。

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 なお、地域資料室は、生徒の皆さんの自習やちょっとした打ち合わせなどにも自由に使ってもらえるコワーキング・スペースとして開放しています。たまに施錠されていることもありますが、学校図書館で鍵を預かっているので、利用したい人は気軽に申し出てくださいね!

 2023年11月、近畿大学付属メディアセンターの司書で、図書館でのゲーム活用を推進する高倉暁大氏が来館し、VR体験などの企画を実施されました。3年生の何人かは、1年生だった当時、放課後の学校図書館でVチューバ―になってみたり、VR空間を体験したことを覚えているかもしれません。 その高倉氏が活動する「図書館とゲーム部」が、今年5月にゲーム文化と図書館の親和性やその学術的活用の事例をまとめた書籍『図書館にゲームを!』で、久美浜学舎が紹介されました!

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『図書館にゲームを!』日向良和・高倉暁大・福田一史(編著)日外アソシエーツ 2025年5月刊  

 久美浜学舎の学校図書館には、約40種類のボードゲームがあります。その多くは授業で活用されていますが、授業以外でも生徒の皆さんが図書館のなかで自由に利用することができます。  ボードゲームがタブレットや携帯でアクセスするデジタルのゲームと大きく違う点は、"みんなで遊ぶと数倍楽しく、学力アップにもつながる"ということ。

 最近、休み時間はついゲームをしてしまう、授業中もタブレットが気になって仕方がない......そんな人は、ちょっと依存症になりかけているかもしれません。将来に向けてちゃんと勉強しなくてはいけない高校生の今、ゲーム依存症になどなってしまったら、一生涯に悪影響するピンチです!! アナログなボードゲームは、そんな人にこそ一度味わってほしいコンテンツ。いまこそみんなでタブレットを手離し、学校図書館のアナログゲームでリハビリを始めてみてください。

 学校図書館と図書放送委員会では、前期・後期の図書放送委員とすべての先生方に、その読書遍歴から他の人にも読んでほしいイチオシ本を紹介してもらう「オススメブックリスト」を作成しています。このリストに掲載された本は、一部の絶版本(完売して再販売が予定されていない本)を除き、原則すべて購入し、学校図書館に入ってすぐの本棚で1年間展示し特集しています。

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 このオススメ本の紹介、図書放送委員だけでなく、 他のみなさんも書いてみませんか? 

 「このはなし、 学校の友達とも語り合いたい!」というものがある 人はぜひ、その面白さを原稿用紙(どんな紙でも OK)にぶつけてください! そして友達に本を読んでもらい、語れる仲間を作りましょう。

 たくさんの投稿、お待ちしています。

 なお、オススメ原稿はどんな紙に書いてもらって もOKですが、学校図書館では原稿用紙も配布し ています。

学校図書館の職員・司書の資格は、大学などで所定の講座の単位を取得する必要があります。このたび、成蹊大学でこの講座を指導する教員で、小説家の大橋崇行先生が久美浜学舎に来校され、7冊の小説を寄贈されました。大橋先生、ありがとうございました!

先生方の訪問の目的は、寄贈本にあった2冊のライトノベル......大橋先生の著書『司書のお仕事』にあります。

大橋先生が、大学で指導する学生たちにわかりやすく図書館司書の仕事を紹介しようと、ライトノベルのようなテイストで執筆されたこのシリーズの、今秋発売の第3巻で、なんとわれらが久美浜学舎の学校図書館が紹介されるというのです! びっくり!

いただいた本を読みながら、刊行を楽しみに待ちたいと思います。どうぞ、みなさんもご一緒に。 本は、図書館カウンター前のワゴンに展示しています。

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(本校生徒と談笑する、大橋先生と次作の監修者・有山裕美子先生)

このたび本校では「朝日小学生新聞」「朝日中高生新聞 デジタル for School」の無料体験を全校生徒対象にスタートしました!利用期間は7月16日までです。

このサービスでは、日々のニュースや特集記事をデジタルで読むことができるだけでなく、探究学習に役立つ資料や、就職や進学試験にも出やすい時事問題の理解にもつながります。特に「中高生新聞」は、難しいニュースをわかりやすい言葉で解説してくれるので、新聞に初めて触れる人にもぴったりです。 

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■ なぜ、新聞を読む習慣が大切なの?

新聞を読むことは、語彙力の向上、文章読解力の強化、社会への関心、さらには自分の考えを深める力を育てる大きな手助けになります。日々のニュースを追うことで、世界や社会の動きに敏感になり、自分自身の視野も広がります。

また、久美浜学舎が大切にしている「自分の意見を持ち、それを伝える力」は、新聞記事から得られる知識や考えを通して、自然と鍛えられていきます。

■ どんな風に使えるの?

学校内のタブレットやPCはもちろん、スマホや自宅のPCからもアクセス可能です。IDやパスワードを忘れてしまった人は、学校図書館か担任の先生に問い合わせましょう。

図書館では使い方ガイドやおすすめ記事の紹介も行っていますし、一般の朝日新聞や毎日新聞、京都新聞、北近畿経済新聞との読み比べもできるので、ぜひ立ち寄ってみてください!

  • 利用期限:2025年7月16日まで
  • アクセス方法やログイン情報は学校図書館または担任の先生に確認してください。

知ることは、自分の世界を広げる第一歩。 この機会に、新聞を読む習慣を始めてみませんか?

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4月23日の万博遠足に先立ち、生徒たちは「ある1枚の写真」をきっかけに探究学習を行いました。写っているのは万博の風景――でも、ただ眺めるだけではありません。

■ 写真の"奥"を読み解く

注目したのは、大屋根リングに使われた木材の種類やその割合、構法などの建築的な要素。さらには、案内サインのデザインやその意味、写真にたまたま写り込んだ万博グッズと思われるスニーカーにまで、好奇心のアンテナは広がります。

「なぜこの視点に注目したのか?」「どうやって調べたのか?」という問いかけのもと、各チームがそれぞれの調査手法や気づきを発表し合いました。

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■ 白熱した"撮影場所"論争

なかでも面白かったのは、「この写真は万博のどこで撮られたのか?」という問題。 あるチームは「東口だ」と主張し、別のチームは「西口に違いない」と断言。 その根拠として、写り込んでいる建物の形や人の流れ、光の向きなど、まるで"現場検証"のような鋭い観察と推論が飛び交いました。

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■ 探究の力、遠足で発揮なるか?

これらの事前学習を経て、生徒たちは実際に万博の会場を訪れます。 「この建材、写真と同じだ!」 「サインの色使い、やっぱり○○を意識してたんだ!」 そんな気づきが、現地でどれだけ生まれるのか...まさに"探究の本番"が始まります。 事前に調べた知識と現場での体験が結びついたとき、学びはもっと深く、もっと面白くなるはずです。 万博後の学校生活では、どんな土産話が聞けるでしょうか。学校図書館でも関連資料を揃えてお待ちしています!

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久美浜学舎学校図書館では、今年も2月に一般公開を行います。私たちの図書館は、文部科学大臣表彰をはじめ全国的に高く評価されてきた学校図書館です。学校図書館としては史上初めて「Library of the Year」優秀賞や「ゲーミング図書館アワード」を受賞しており、その特別な活動の一端は、書籍『学校の『読書バリアフリー』はじめの一歩』でも紹介されています。

2016年度からは、地域の多様な人々と交流もまた高校生の大きな学びの機会と考え、広く地域の皆様にも学校図書館を公開してきました。今年度は、2025年2月に計12日間実施します!

期間中に開催予定の企画展示はこちら!

  • 国際子ども図書館提供「科学本」セット。中学生以上を対象とした、選りすぐりの科学分野の書籍セット。珍しい洋絵本や飛び出す絵本も!
  • SDGs関連書籍特集:持続可能な未来について考えるきっかけになる本を集めました。
  • このほか、「若い人に贈る読書のススメ2025」や「本屋大賞2025」ノミネート作品など、いまトレンドの本をまとめて味わえるチャンスです。
  • ボードゲームやDVDも楽しめます。

さらに、京都府内ではまだ導入事例が少ない電子データベース「ジャパンナレッジschool」の利用体験も可能です!お気軽に御相談ください。

一般公開の日時 期間

  • 2月3日(月)、4日(火)、6日(木)、10日(月)、12日(水)、13日(木)、18日(火)、19日(水)、21日(金)、25日(火)、26日(水)、27日(木)-各週3日、計12日間

受付時間

9時 - 16時(17時までに退館)

対  象

保護者、地域住民、図書館関係・教育関係者の皆様 等

場  所

京都府立丹後緑風高校久美浜学舎 図書館(本館3階)

諸注意

  1. エレベーターはありません。
  2. 履物は大人用スリッパしか用意がありません。小さなお子様は上履きをご用意ください。
  3. ご利用にあたって 授業利用との重複を避けるため、できるだけ事前のご予約をお願いしております。電話またはこちらのフォームから来校予定をご連絡ください。

丹後緑風高校の学校図書館は、学びと発見に満ちた特別な場所です。お子様の成長を支えたい保護者の方、教育関係者の皆様、そして地域の皆さんも、この機会にぜひ足をお運びください! たくさんのご来館をお待ちしております!

 12月17日(火)、2学期最後の「みらい探究Ⅰ」では、1年B組のみなさんが、久美浜町の「橋爪」「久美浜一区」「川上」という3地区について、中間発表を行いました。この日を迎えるまで、フィールドワークや地域住民の方々へのインタビューを通じて、それぞれの地区の課題を見つけ、解決策を考えてきたみなさん。まずはお疲れさまでした!

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 久美浜町といえば、縄文時代から続く長い歴史を持つ町。自然豊かな土地でありながら、時代ごとにさまざまな変化を乗り越えてきた地域です。その歴史や営みを調べるだけでも、一筋縄ではいかなかったのではないでしょうか?

 今回の中間発表では、それぞれの班がどのような課題に注目したのかを共有してくれました。「橋爪」班はまず久美浜学舎のお膝元でありながらあまりにその歴史が知られていない問題について、「久美浜一区」班は商業でも政庁でも町の中心として繁栄した歴史がやはり若い世代にあまり知られていない問題や、伝統の祭りの継承や、水上交通を支えた丸木船の魅力について、「川上」班は豊かな既存の自然環境などを活かした地域の魅力発信などについて、といったテーマに取り組んでいる様子がうかがえました。

 遊びに来たことなら何度もあるというような地域でも、実際にその地域の方々から直接話を聞く中で、新たな発見や気づきはたくさんあったのではないでしょうか。その中で見つけた「自分たちにできること」を考え抜くのは、決して簡単なことではありません。でも、みなさんの柔軟な発想と行動力なら、きっと素敵なアイデアが生まれるはずです。1月下旬の学習成果発表会「みらいのタネ」での発表に向けて、これから冬休みを挟みますが、ぜひチームで協力しながらアイデアをさらに深めてください。学校図書館も引き続き、資料提供や関係者の紹介など、みなさんの活動をサポートしながら、最終発表を楽しみにしています!

 久美浜町の未来を担う"みらいのタネ"を、力いっぱい育てていきましょう! 

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久美浜一区のフィールドワークの様子

 寒い冬、外は冷たい風が吹きすさび、窓の外には白い雪が舞い落ちる季節。こんなとき、心の中までポカポカにしてくれる読書はいかがですか? 

 久美浜学舎の先生方と図書放送委員が選りすぐりの本をピックアップして、生徒の皆さんにお届けする「先生&図書放送委員のオススメブックリスト」を今年も作成しました! このリストには、心がホッと温まる物語から、ゾクゾクするような冒険や感動の小説、そして少し未来を考えさせられる社会的なテーマを扱った作品まで、多彩なジャンルの本が含まれています。

 これを読めば、きっと「もう一冊」と手を伸ばしたくなること間違いなし!

 なかでも複数の先生がオススメした『成瀬は天下を取りにいく』や『君たちはどう生きるか』あたりは、「知らない」なんて言っていたらちょっと恥ずかしいくらいの大ベストセラーです。未読の人は、この機会にぜひ読んでおきましょう。

 読書は、どこでも、どんなときでも楽しめるものです。暖かい部屋でココアを飲みながら、または毛布に包まりながらページをめくる時間は、最高のリラックスです。そして、読書を通して得た気づきや感動は、冬休みの特別な思い出になるでしょう。一人で静かに読んでも良し、家族や友達と感想を語り合うのも楽しいですよ!

 リストは、各クラスの図書放送委員がクラス全員分を製本しました。掲載されている本は、順次、学校図書館で貸出をしています。気になる一冊を手に取って、ぜひこの冬、本と一緒に新しい世界へ飛び込んでみませんか?

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