【来賓祝辞(PTA会長)】

 「祝辞」   

卒業生の皆さん ご卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様 今日のよき日を迎えられましたことを 心からお祝い申し上げます。そして 校長先生をはじめ 、教職員の皆様方におかれましては 生徒たちを、愛情深く導いてくださいましたことに感謝とお礼を申し上げます ありがとうございました。

 さて卒業生の皆さん、鴨沂高校での学校生活はいかがでしたか。皆さんは今朝、長年受け継がれてきた正門を一抹の寂しさや、新しい生活へのわくわく感など様々な感情を持ちながら、そして、来年創立一五〇周年を迎える、伝統ある鴨沂高校の卒業生として晴れやかな気持ちでくぐってこられた事と思います。

 正門を入ってすぐの テニスコート近くに新しく植わった卒業記念樹に気付かれましたか。先だっての登校日に、ショベルカーで地面を掘り起こしていたのを見て驚いた方もあるかもしれません。今年度は卒業記念品として樹木を検討しました。ところが、植える計画をした、一見花壇に見える場所の土がとてつもなく固く、まず土の改良が必要な事がわかりました。いくら良い木を植えても、土が固ければ根も育たず成長しません。とはいえ土壌改良をして木も植えるとなると、予算の関係もありすぐに決めることはできませんでした。 

 何度か話し合い予算のやり繰りと業者さんのご協力によりようやく実現したのですが、そんな時、皆さんの話題になりました。皆さんは、旧校舎、新校舎、そして校長先生・・と目まぐるしく変わる環境の中で高校時代を過ごされました。その都度、少なからず雰囲気が変わったことを一番近くで感じていたのは皆さんだと思います。そのような中でも、学校生活をより充実したものにしようと先生方に相談されていました。実現したのは次年度で、下級生のことを羨ましく思った事も一度や二度では無かったかもしれません。思いを実現するための皆さんの努力が、先程お話をした植樹までの道のりと重なったのです。

 世の中、早くても数ヶ月後、数年後にしか成果がわからない事も多いものです。常に前向きに声を上げ続けた皆さんの行動が反映されて今があります。先生方と皆さんの毎日の積み重ねが作り上げた学校です。

 今年度はコロナ禍で、どこの学校も今までにない判断を迫られました。多くの学校が行事の縮小や中止を選択せざるを得なかった中、鴨沂高校では、ほぼ例年通り行われました。一概に他校と比べられるものでもありませんが、開催できたのです。これはやはり学校と皆さんとの信頼関係によるところも大きかったのではないかと思います。

 皆さんの思いを学校は理解してくださり、信用し、環境を整えてくださいました。そして皆さんは協力し合い、制約の中でも最大限のパフォーマンスをされました。決して無関心ではなく、意思表示を受け止めてくれた人がいた事を忘れずにいてください。ご家族、地域の方々も応援してくださいました。見ていてくれる人は必ずいます。自分にとって 助けとなる人がいることに気づき、そして 自分も誰かの助けになっていることに自信を持ち、自分も自分以外も大切に 丁寧に生きてください。

 こころの持ち方ひとつで人生は変わります。感謝を忘れず 気持ちを強く持ち 目線を上げて 進んでください。卒業記念樹のヒラドツツジは、五月頃にはピンクの花をつけるそうです。鴨沂高校が皆さんや同窓生の、そして皆さんの毎日を 温かく見守ってくださいました 地域の方々の誇りであり続けるよう願っています。  

おっきー短足(HP用).jpg これからの 皆さんの益々のご活躍と、麗しく、豊かな人生をお祈りし 門出に際してのお祝いの言葉とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。

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【保護者謝辞(PTA3年学年委員長)】

 僭越ではございますが、本日鴨沂高校を巣立ってゆく卒業生の保護者を代表して、お礼の言葉を述べさせていただきます。

 本日は子どもたちの為に、このような立派で温かな卒業式を挙げていただき、誠にありがとうございました。校長先生をはじめ教職員の皆様方に心より、厚く御礼申し上げます。

 思い返せば3年前、緊張した面持ちで臨んだ入学式は鞍馬口校舎にて行われました。それから間もなくの学校の移転、そして昨年からの未曽有の事態。部活動での最後の大会がなくなるなど辛い思いをした子どもたちもいたことでしょう。ハプニングの中でも工夫を凝らし、制約の中でも前向きに取り組み、逞しく乗り越え、プラスにできた面もあったと今の子どもたちの晴れやかな姿を見て確信しています。

 学校再開ののちは配慮をしつつも行事が中止になることはありませんでした。
 しかし、他校では様々な行事を縮小・中止をせざるを得ないことが多く、鴨沂高校のように、すべての行事をほぼ例年通り行った学校はほとんどないと知り、驚くと同時に、先生方のご尽力に胸が熱くなりました。そしてそれは見えない形で子どもたちに、伝わっていたのだと思っております。本当にありがとうございました。

 卒業生の皆さん、皆さんは義務教育を終えた後の初めての選択にこの鴨沂高校を選びました。3年間様々なことがありましたね。そして今日、それぞれの新しいドアの前に立っています。
 同じものはひとつとしてありません。皆さんが自分自身で選んだドアです。
 ドアの向こうに何があるのかわかりませんが、この3年間に乗り越える力はきっとついています。胸を張って開けてください。

 諸先生方もそして我々保護者も新しい道へ進んでゆく皆さんを応援しています。
おっきー短足(HP用).jpg ご卒業おめでとうございます。

 最後に、鴨沂高校のますますのご発展とご臨席の皆様のご健勝をお祈りし、お礼の言葉とさせていただきます。