素晴らしき人生を!
                      0302PTAkouhoushi2.jpg校長 吉川 孝
 向春の侯、保護者の皆さま方におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。平素は本校の教育に御理解と御支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
 
 三年生の皆さん、卒業おめでとうございます。私は、四月に皆さんと出会い、一年間一緒に過ごしてきました。始業式、終業式、学校行事といった限られた機会ではありましたが、私の話をいつも真剣に聞いてくれました。毎朝、昇降口でいつも元気な挨拶をしてくれました。そんな皆さんのやさしく、ひたむきな姿勢を校長として誇りに思っていました。皆さんが豊かな人間性を持った鴨沂生として、自他をリスペクトする本校のすばらしい校風をさらに高めてくれたと思います。本校で過ごした日々を振り返ってみて、何が印象に残っているでしょうか。授業、自学自習、部活動、学校行事に、全力で取り組み、楽しむ姿を見せてくれました。文化祭での圧巻の演技や存在感は今も鮮明に覚えています。その思い出は、十年後二十年後にふと思い出す心の中の宝物となっていると思います。こういった一つ一つが人生を豊かにするものだと思います。
 
 今、世界と日本は、誰も経験したことのない困難に直面しています。その中でも、鴨沂生の皆さんは、「今、何ができるか」を考え、ここまで「チーム鴨沂」で、生徒、保護者、教職員が協力して、さまざまなことに全力で、取り組んできました。大変でしたが、誠実な皆さんだからこそ、ここまで来ることができました。京都大学元総長の山極教授は、著書の中で「アフリカの人々はよく"There is no problem. There is a solution."と言います。どんな困難に直面しようとも、必ず解決策がある。」と書かれています。人生の中では、困難なことに出会うこともあると思いますが、どんな困難に直面しようとも、きっと解決策があるのです。無我夢中で、必死で取り組めば、ある日、虹が見え、晴れ上がる日がくるでしょう。この困難も、皆さんと共に、乗り越えていくことができればと思います。何事も、"Never give up!"でしょう。鴨沂で学んだ皆さんなら大丈夫だと信じています。

 最後に、皆さんに紹介したいことばがあります。映画「カサブランカ」は大好きな映画の一つで、1942年に製作されたものですが、今もその輝きを失うことなく、みるたびに感動します。中でも印象的なのが、映画のラストの場面で主人公リックが話すセリフです。それは、
  "I think this is the beginning of a beautiful friendship"
というセリフです。字幕では、「持つべきものは友だ。」とありますが、この場面で、いつも人生で大切なのは『人と人とのつながり』だと実感します。このセリフを含むラストの場面のセリフはどれもウイットにも富み、秀逸です。是非、いつかみてほしいと思います。

おっきー短足(HP用).jpg 本校は、豊かな人間性の育成をめざしてきましたが、皆さんはその校風を日々実践し、一人一人をたのもしいなあと思ってきました。そんな人間味溢れる皆さんが、卒業後も、本校で出会った級友や先生方、また、これから出会う人々を大切にし、そして、高校時代のみずみずしい感覚や思い出を心の宝物として、これからも、よりよい人生を歩んでゆかれますことを、切に願っています。

  "I hope that all of you will lead a wonderful life!"