おっきー短足(HP用).jpg 盛夏の侯、PTA会員の皆様方におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。平素は本校PTA活動に御理解と御支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
 本年度も4月8日の始業式、入学式からスタートしました。大変な状況が続く中、鴨沂生は日々の学校生活をよりよいものにしようと、学習、部活動や学校行事に協力して取り組んでいます。一人一人にとって、一日一日がかけがえのない高校生活です。昨年度も「いま、何ができるか」を考え、生徒、保護者、教職員が「チーム鴨沂」として協力して、授業、部活動や学校行事などを行ってきました。卒業した多くの三年生が「鴨沂で本当によかった」と言ってくれました。とても嬉しかったですし、心の宝物になりました。生徒たちが学力をつけ、人間的に成長するのを見て、学校での一つ一つの取り組み、全てのことが大切なのだと改めて実感しました。
 今年度は、さらに厳しい状況もあり、生徒たちも大変ですが、一年生が、入学して間もない頃に、「鴨沂のお気に入り」というテーマに取り組み、発表をしてくれました。その中で、「入学してまだ2週間ですが、これから3年間、この校舎で沢山の思い出をつくれたら」と書いてくれました。「よい高校生活を送りたい」という気持ちに溢れ、学校として真摯に受け止め、大切にしていきたいと思いました。
 今、大リーグの大谷選手、NBAの八村選手や渡邊選手など、若手の選手が世界で颯爽と活躍されています。堂々として、物怖じせず、力強く、世界に挑戦している姿が印象的です。かつて、大リーグに挑戦し、大活躍された上原投手は、10代の終わりに、野球をやめようと思ったとき、兄が「逃げずにやり続ける姿勢はさすが。逃げない才能がある。」と力説したことで、思い直して、野球を続けることができたとのことです。どんなときも「挑戦する気持ち」と「逃げない気持ち」が大事なのかもしれません。 アメリカのバイデン大統領が演説の中で、"There is nothing we can't do if we do together."と話されました。「共に協力すれば、不可能なことはない。」と。今こそ、勇気と協力が必要な時なのでしょう。幸い、鴨沂では、生徒、保護者、教職員が協力して何事にも向かうことができる学校であり、鴨沂の一員であることを誇りに思っています。これが149年の伝統の力かもしれません。学校として、これからも「前向きに、今できること」を実施していきたいと思います。
 さて、ミヒャエル・エンデには『モモ』という作品があります。物語の中では、主人公モモが人間らしい心を象徴する存在として描かれ、それとは対照的に灰色の男たちにそそのかされ、効率ばかりを求め、心の豊かさを失う人々の姿が描かれています。生徒たちにとって、鴨沂は学びの場であると共に、やすらぎの場所でもありたいと思います。「いたわり」「他人の痛みを感じる」「やさしさ」を大切にする鴨沂のよき校風をこれからも大事にし、豊かな人間性を育む上で、ホッとする、あくまでも人間的な「のどかな」で「和気あいあい」の雰囲気をこれからも生徒たちと共に、大切にしていきたいと思います。その中で、今後も、一人一人の生徒が、人として成長した場面に出会うことを楽しみにしています。
 保護者の皆様におかれましては、今後も本校教育の充実・発展に向けて、御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。