「ひかり小 実家に帰った 安心感」

 今年度、文部科学省の指定を受け、これからの学校教育を見据えた様々な取組に挑戦しています。新しい教育課程や未来創造科「つばさ」、特別支援学級におけるチーム担任制や3校合同学習など、子どもたち一人一人の可能性を引き出す学びを進めています。こうした新しい取組は、保護者や地域の皆様のご理解とご協力があってこそ実現できるものであり、この場をお借りして、心より感謝申し上げます。 

 先日、運動会実行委員会の様子を見に行きました。ちょうど全校競技について話し合っている場面でした。昨年度は初めての取組ということもあり、緊張した雰囲気も見られましたが、今年は違います。高学年が自分たちの考えをわかりやすく伝え、低学年も自分の思いをしっかり伝え、お互いの意見を聞きながら、答えをつくりあげていこうとする姿があります。子どもたちの1年間の成長を感じ、とても頼もしく思いました。

 私は子どもにも教職員にも自分の言葉で伝えることの大切さを折に触れて伝えています。言葉には人の心を動かす力があり、短い言葉でも自分の思いを自分の言葉で伝えることは、自分を大切にすることともつながっています。また、言葉は誰かを励まし、安心させ、強い勇気を与えてくれる時もあれば、無意識に発した言葉が誰かを深く傷付けてしまうこともあります。だからこそ、自分の心にある言葉を大切に、言葉を通して自分と周りの人々への理解を深め、豊かなつながりを創ってほしいと思っています。

 先日、3校合同学習において、京丹波町にお住まいの方に「俳句づくり」を学びました。(季語なしもあり)その学習の直前に校外学習に出ていた6年生が詠んだ句があります。

「ひかり小 実家に帰った 安心感」

わずか十七文字ですが、「丹波ひかり小学校は安心して過ごせる居場所」という子どもの素直な思いや無事に帰ってきてほっとしたという思いが伝わってきます。俳句は一瞬の出来事や心の動きを五・七・五の十七音で表現します。限られた言葉だからこそ、一つ一つの言葉に思いが込められます。運動会の話し合いでも、俳句づくりでも子どもたちは「自分の言葉」で考え「自分の言葉」でよりよく伝えようとしている姿から、本校が大切にしている学びが確実に育っていることを感じます。

 1学期を振り返ると、子どもたちは学習や行事、仲間との関わりを通して、多くの経験を積み重ねてきました。うまくいったことだけでなく、思い通りにならなかったことや悩んだこともあったと思います。しかし、その一つ一つの経験の中で、自分の考えを伝えたり、友達の思いを受け止めたりしながら成長してきました。

これからの時代を生きる子どもたちにとって、自分の考えや気持ちを言葉で表現する力、相手の言葉に耳を傾ける力は、学力と同じくらい大切な力だと考えています。だからこそ学校では、一人一人が安心して自分の思いを語り、その言葉をみんなで受け止められる環境を大切にしていきたいと思っています

 明日から夏休みに入ります。学校で過ごす時間はしばらくお休みになりますが、子どもたちにとっては家族や地域の方々との関わりの中で、多くのことを学ぶ貴重な期間でもあります。ぜひ、ご家庭でも子どもたちの話に耳を傾けていただき、毎日を振り返る何気ない会話を大切にしていただければと思います。その積み重ねが、子どもたちの自己肯定感や表現する力を育むことにつながります。

2学期の始業式は、さまざまな経験を積み、一回り成長した子どもたちと再会できることを楽しみにしています。保護者や地域の皆様には、1学期間、本校の教育活動にご協力とご支援をいただきましたことに改めて感謝申し上げます。

                                                              校 長  中田 匡恵