地域とともに育む心
吐く息が白く、冬の訪れを実感する季節となりました。そんな朝も子どもたちは登校ボランティアの皆様に見守られ元気に登校しています。私が学校坂の下で子どもたちを待っていると、お名前を存じ上げない方も見慣れたお顔の方も、車の中から手を振ってくださったり、少し速度を緩めてわざわざ車の窓を開けて「おはようございます。」と声をかけてくださったりします。そんな姿にいつも温かいエネルギーをいただくとともに、子どもたちのことを応援していただいているような気持ちになります。
さて、子どもたちにも様々な朝の挨拶の風景が広がっています。見えるか見えないかぐらいの遠くから「おはようございます。」と元気に何度も挨拶する子、地域の方に深々と頭をさげて感謝の気持ちを伝える子、まだ恥ずかしさが残りちょっと会釈だけする子…そのどれもが子どもたちが自分の思いや自分らしさを大切にしながら成長している証です。挨拶はほんの短い言葉やしぐさですが、そこには「あなたのことを大切に思っていますよ。」「ここにいてくれてありがとう。」「今日も一日気を付けて過ごしてね。」そんな心が込められています。まさに挨拶を交わすという営みは、人権の根底にある「相手を尊重する心」そのものです。この小さな積み重ねが家庭を学校を地域を温かく包み、互いを尊重し合う空気を育てています。今の挨拶がどのような形であっても、日常の中で挨拶を大切にする文化として、学校や地域、そして家庭の中で温かい挨拶のある時間を積み上げていただければうれしく思います。
また、学校の玄関で落ち葉を掃いていると、子どもたちも一緒に手伝ってくれることがよくあります。「いつもありがとう。」「僕も手伝いたい。」そんな言葉とともに掃除用具を手に持つ姿は、小さな行動かもしれませんがとても尊いものです。
先日、バス停で見守りをお世話になっている地域の方からも「子どもたちがバス停の掃除を一緒に手伝ってくれる。」と教えていただきました。地域の方の行動や背中を見て、誰かのために動くこと、学校や地域の一員として過ごしていることを日々の中で学んでいるのだと、とてもうれしくなります。
学校というところは、教室の中だけで学びが完結するわけではありません。子どもたちは、地域に支えられ、地域から学び、地域とともに育てられていく場所です。子どもたちが安全に登下校できるのも、安心して毎日を過ごせるのも、こうした目に見える部分だけでなく目に見えない多くの支えがあるからこそです。
改めて、日々、地域に見守られ、支えられていることに感謝の気持ちを抱きながら今年の締めくくりを丁寧に行っていきたいと思います。寒さが深まる季節ですが、温かなつながりの中で子どもたちが伸びやかに過ごせる京丹波町らしさを大切にしていきたいと思います。

校長 中田 匡恵


