1年生
「そらまめくんこんにちは」
作)なかや みわ 小学館
そらまめくんがおでかけしていると、途中でであった友達に「こんにちは」のごあいさつをします。
そして 大好きなお豆の仲間たちにも「こんにちは」。
今日もみんなと仲良く遊びます。
みんなも よく知っている「そらまめくん」の絵本です。
タイトル通り「こんにちは」と 1年生への挨拶がわりに読みました。
そして本命は・・・
「パンどろぼう」
作)柴田 ケイコ 角川書店
「パンどろぼう」みんな大好きなんですよね。
だから「知ってるけど 読んで~」と なんてかわいい反応なんでしょう。
表紙を開いたところから「あっ! あそこにいる!!」と みんなのわくわくが 伝わります。
まちのパンやから サササッととびだす ひとつのかげ。
パンがパンをかついで にげていきます。
「おれはパンどろぼう。おいしいパンをさがしもとめる おおどろぼうさ」
パンに包まれた、その正体とは――!?
お茶目で憎めないパンどろぼうが、今日も事件をまきおこす!
とっても楽しく読めました。
2年生
「あまがえるのたんじょう」
作)たての ひとし 世界文化社
夜の水辺では、かえるたちが大合唱。
「きゃっ きゃっ きゃっ きゃっ」と鳴くのは、あまがえるです。
しばらくすると、たまごから小さなおたまじゃくしがかえり……。
「3びきのあまがえる」シリーズ第三弾。3匹の誕生から出会いの物語。
あまがえるも私たち人間も同じ―命の輝きに満ちた美しい作品です。
かえるつながりで・・・
「さかなはさかな」
作)レオ・レオ二 好学社
おたまじゃくしが、蛙になって幼馴染みの魚を訪ねてきます。
魚は蛙の話を聞き、外の世界をみたくなり、蛙の真似して池を飛び出してしまいます。
さあ大変・・・
レオ・レオ二・・・というと「スイミーや」とか「谷川俊太郎」などと みんなよく知っていました。
とっても反応のいい2年生です。
なかでも 最後の方に「このせかいこそ たしかにどんなせかいよりも うつくしい せかいだった」というところで「あ~ そうかぁ」と 納得したような声が聞こえてきて ちょっとドキッと 驚いたのでした。
3年生
「綱渡りの男」
作)モーディカイ・ガースティン 小峰書店
ニューヨークでストリート・パフォーマンスをしているフランス人の綱渡り師フィリップ・プティはマンハッタンに建設中の世界貿易センターのツインタワーを見つめていた。
あそこで綱渡りをしたい! 今はない世界貿易センターの2棟のビルの間に綱を張り、地上400mの高さで綱渡りをした男の実話。
「ふたつのタワーは いまはもうありません」
という 文章で 9.11の事件をあらわしているのだけれど そのことについては 何も触れませんでした。
2001年に起きた「9.11」と言われる事件は 今の小学生にとって 生まれる前の出来事ですもんね、朝から重たく難しい解説をする方も 聞かされる方も ふさわしくありません。
こんなすごい綱渡りの人がいた、ということにだけ 反応してくれたらいいと思います。
4年生
「もし きみが月だったら」
作)ローラ・バーディ・サラス 光村教育図書
お月さまみずから、月の動きや地球との関わりを教えてくれます。
自転する様子は、バレリーナ? 引力による潮の満ち引きは、海との綱引き⁉
擬人化したユーモラスな例えと、科学的、具体的な説明がわかりやすい、月の入門絵本。
きれいなイラストとお話しを楽しみながら、見開きごとに月の自転、公転、引力、満ち欠けなど、科学的な解説もあります。
月について学べる仕組みになっているのがいいなと思いました。
5年生
「オニのサラリーマン」
作)富安 陽子 福音館書店
赤鬼のオニガワラ・ケン、地獄カンパニーの平社員。
今日もびしっとスーツで決め、愛妻弁当を携え勇んで出勤です。
閻魔大王の指示で血の池地獄の見張りにつきましたが……。
お、オニがスーツを着込んでいる……なんというインパクトなのでしょう。
かつてないほど、地獄がお気軽に描かれています。
血の池地獄はまるでプール。
オニガワラさんは監視員のごとく注意をしながら、お昼の時間を迎えます。
美味しい愛妻弁当を食べ終わると、満腹になってコクリコクリ……ハッ!大変です。
どんなに楽ちんだと言っても、居眠りはいけません。
気が付けば、血の池地獄に極楽からぶらさがっている“糸”につかまり、亡者たちが大量に逃げようとしているではありませんか!! この光景、どこかでみたような……?
このヘンテコリンなお話を生み出したのは富安陽子さん。
なんでも2014年のお正月にほぼこのストーリーのままの初夢を見たのだとか!?
やっぱり普通じゃありません。
そして、まるで見てきたかのように、画面隅々まで地獄カンパニーの様子を描き出す大島妙子さんの絵も素晴らしいのです。
オニガワラ家で飼っているペットや町にあるお店など、サイドストーリーも気になって仕方がなくなるのです。
是非、オニのサラリーマンの日常の続きを読みたいものです(もちろん シリーズ化されています!!)
みんなよく知っているお話のようでしたが とっても静かに聞いてくれました。
6年生
「ニシキアナゴくんとチンアナゴくん ぼくたちは まっているんだ」
作)しば なお アルファポリス
海の底で暮らすニシキアナゴくん。どうやら何かを待っているみたい。
しばらくしてやってきたのは、ともだちのチンアナゴくん。
でも、ニシキアナゴくんが待っているのは、別のもの。
チンアナゴくんも一緒に待ちはじめると、海のいきものたちが次々とやってきて……?
修学旅行で 海遊館を楽しんできた6年生に 大好きなチンアナゴの絵本を紹介がてら読みました。
本命の絵本は・・・
「おれ よびだしになる」
作)中川 ひろたか アリス館
ぼくはちいさいころから相撲がすきで、いつもテレビで相撲を見てた。
一番好きなのは、「おすもうさん」ではなく「よびだし」さん。
誕生日に連れて行ってもらった大相撲で、よびだしさんに朝稽古に誘われて…大相撲の世界にとびこんだ少年の成長を描いた絵本。
今回の 夏場所で優勝した 大の里は 幕下付け出しの力士としては 最も早い記録で優勝を果たしニュースになりましたが、なんと 全員が お相撲を見たことないそうで・・・!?
だからもちろん「よびだし」も まったく知らない、という・・・。
「ごめんね」と 言い それでも 知ってほしい、興味を持ってほしいと思いながら 好きなことは 続けてほしい、という気持ちを込めて読んだのですが・・・少しでも 伝わったかなぁ・・・。