10月6日(月)に、5年生が三和創造学習の一環で、大原神社のふもとの神田で稲刈り体験をさせていただきました。
と、その前に、一行はリバース647かわい承学校(旧・川合小学校)へ行き、吉田地域講師から、稲作おける水確保の努力と稲刈りについて学びました。
5年生は、7月に稲作のための水路を散策しました。その詳細につきましては、「「青空の 野外活動 青田波」 5年三和創造学習 | 福知山市立三和小学校・三和中学校(三和学園)」の記事をご参照ください。水路散策の折に、講師の河野様から、水の確保がいかに重要で、いかに大変だったかを教えていただきました。
今回、かわい承学校において、水を汲み上げる水車の使い方や、水路を作るための土搗、砂利駕籠などの道具を見せていただくとともに、実際に道具に触れることができました。三和地域は、集落、田んぼに対して川が低い所を流れています。ですから、田んぼには山水を使っていましたが、それだけでは必要量をまかなえません。そこで、人々は、協力し合って井堰や水路を建設するとともに、溜池を掘りました。水車によって低い川面から水路へ水を汲み上げたのです。
事前学習の最後に、吉田地域講師が、「今日は、みんなに『昔の稲刈り』を体験してもらいます。」と言われました。バインダーやコンバインといった便利な機械があるが、敢えて鋸鎌で手刈りする体験をします。そこから、機械の基となる仕組み、原理を学んでほしいという趣旨のことを言われました。
そうして、5年一行は、大原神社ふもとの神田へ移動しました。黄色い稲穂が広がり、その上を赤いトンボが舞う風景は、とてもきれいでした。川合地区の皆様が待っていてくださり、みんなであいさつをしました。土佐様から、「稲刈りをしたことがある人?」と質問されると、5、6人の手が挙がりました。



土佐様から、「この田んぼからとれる餅米は、羽二重餅で、京都の特産品です。餅にするとよく伸び、きめ細かいのが特徴で、和菓子に用いられます。」と説明してくださいました。次に、稲刈りのお手本を見せていただきました。小指が下になるように稲を持って、鎌を手前に引くように刈るのだということでした。刈った稲は、「×」の字に束ねて藁紐でくくることも教わりました。



ということで、鎌を手に、いざ、稲刈りへ!









みんなとても張り切っていたのと、地域の皆様のサポートにより、どんどん刈り取られていきました。刈り取った稲は、藁縄でまとめていきます。



あっという間に手刈りの時間が終わり、バインダーという機械を使うところを見せていただきました。稲を素早く刈って、きちんと「×」の字に束ねる様子に目を丸くする子どもたちでした。



稲の束は、荒縄でまとめ、トラックの荷台へ運びました。



最後に、児童の質問に答えていただきました。その一部を紹介します。
Q1「残った稲の株は、どうしますか?」 → A2「土と一緒に耕して肥料にします。微生物が分解するので、環境に優しいお米ができるのです。ここで土を汚してしまったら、下流域も汚れてしまいます。だから、きれいな環境を保つようにしています。」
Q2「稲刈りの前に、稲を叩いておられたのはなぜですか?」 → A2「稲に溜まっていた水滴を落としてから、みんなが刈れるようにという、おじさんたちの優しい心です。(笑)」
Q3「田んぼの上に赤トンボが飛んでいるのはなぜですか?」 → A3「田んぼにいる小さな虫を食べに来ているからです。稲刈りをすることで多くの虫が現れるので、ツバメもたくさんやって来ます。」
Q4「虫だけではなく、鹿や猪、熊などの大きな動物は来ないのですか?」 → A4「大きな動物は来ません。やはり虫が一番です。虫は、お米が美味しいのをよく分かっています。薬を使わずに安全に作られたお米には、たくさん虫が来ます。でも、残念ながらいい虫だけじゃありません。カメムシは、お米に黒い穴を開けるので困ります。」
稲刈りを終えるに当たって、感想を聞かれると、みんな口々に「とても楽しかった。」と言っていました。お世話になった川合地区の皆様、本当に貴重な機会を与えていただき、ありがとうございました。



これで今日の学習は、終わりません。最後に、大原神社絵馬殿へ行き、吉田地域講師から稲作の1年間についてミニ講義を受けました。大原神社絵馬殿には、慶応4(1868)年に描かれた「四季耕作図」があります。縦160cm・横280cmの大絵馬で、近畿地方最大の耕作図です。籾を育て、田植えを行い、田楽を舞って豊穣を願い、草取りをして、稲刈りをして、稲架掛けして、脱穀して…という1年間の米作りの様子が1枚絵で分かるように描かれています。
子どもたちは、どの工程がどの場所に描かれているかを探しながら楽しく学ぶことができました。吉田先生、ありがとうございました。



三和学園まで運んだ稲束は、荒縄をほどいて物干し竿に掛けていきました。この時、稲穂を下に向けるのですが、こうすることで、養分が稲穂に行き渡るのだそうです。このまま約2週間乾燥させ、脱穀します。


