3年2組 生物「解剖実習」

 本校の普通科キャリアデザインコースでは、3年次に生物の授業を選択することができ、生徒の興味・関心や進路に合わせた実験や実習を行っています。今回は、看護医療系の進路を希望する生徒からの「生物の解剖をしてみたい」という声に応え、7月8日(水)~10日(金)の3日間にわたって実施した解剖実習の様子を紹介します。

 7月8日(水)には、「煮干しの解剖」を行いました。煮干し(カタクチイワシ)を手で丁寧に解剖し、脳、視神経、心臓、肝臓、腸、胃、卵巣、精巣など、ヒトにも見られる器官を肉眼で観察することができました。普段何気なく食べている煮干しにも、このように発達した脳や心臓が備わっていることを知り、私たちが他の生物の命をいただいて生きていることへの理解が深まる実習となりました。

 7月9日(木)には、「グレープフルーツの解剖」を行いました。フラベド(外果皮)、アルベド(内果皮)、じょうのう(房)、砂じょう(果肉の粒)など、柑橘類の果実にみられる基本的な組織を確認し、じょうのうの中に含まれる砂じょうを一つひとつ取り出して数を数えながら、その構造について学習しました(ちなみに約500個の砂じょうが含まれていました)。砂じょうの形や大きさは一様ではなく、それぞれに個性が見られ、限られたじょうのう内の空間の中で場所を確保しながら成長してきた様子がうかがえます。子どもの頃から親しんできた柑橘類が、実はこのような複雑な構造をもっていることが分かりました。
 また、衛生面に十分配慮したうえで砂じょうを1粒試食してみると、グレープフルーツ特有の甘味や酸味、さわやかな香りを十分に感じることができました。普段は果肉としてまとめて味わっている砂じょうですが、1粒だけを取り出して味わうことで、その一つ一つに十分な量の果汁が蓄えられていることを実感できました。

 7月10日(木)には、「肝臓心臓の解剖」を行いました。スーパーマーケットで「きも」として販売されているニワトリの肝臓と心臓を観察しました。肝臓はプリンのような柔らかく滑らかな質感をもつ一方で、ピンセットで刺して持ち上げることができる程度の弾力と重量感も備えていました。心臓を横断して観察すると、左心室の筋壁は教科書で見た印象以上に厚く、心臓下部の大部分を占めていることが分かりました。こうした特徴から、全身に血液を送り出す体循環には大きな力が必要であることを実感することができました。

 本実習で解剖したものは、決して珍しい生物ではなく、私たちが普段食べ物として口にしているものです。食材として接しているだけでは気付かなかった生物の体の巧妙なつくりを身近に感じることができ、大変充実した実習となりました。