南船支部(国語科部)

南船支部

令和4年度 南丹・船井小学校教育研究会 第1回国語部会 報告

≪研究主題≫

「ことばの力を高め、主体的・対話的で深い学びの実現を目指した国語科の授業づくり」

~知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力の育成~

第1回研究会

日時:令和4年7月27日(水) 

会場:南丹市市立八木東小学校

内容:①令和4年度活動方針・計画について

   ②実践発表

   ③演習「シンキングツールを使おう!」④協議(レポート交流)

成果 ◇実践発表 京丹波町立竹野小学校 栃下 貴尚 教諭

単元で付けたい力を明確にし、言語活動を工夫した実践について、     

継続して取り組まれており、「書くこと」を中心に様々な単元での実践を    

発表いただきました。導入時に児童に提示された自作のモデル文や実践 

の足跡から、教材研究の大切さや、児童の意欲を高める単元づくりの工    

夫、また下記の点について学ぶことができました。

・   児童のわくわくする気持ちを高め、「書いてみたい」という意欲を高める導入の工夫

・   モデル文の提示の効果。単元のゴールを見通し児童の意欲を高めると同時に、「読む人に伝わるにはどのような文章がよいのか」「書くためには、どのような学習活動が必要か」などを考え、児童自らが学習計画を立てることの必要性。

・   「書くこと」において、互いにアドバイスし合う活動の重要性。

・   児童の満足感を高め、次の意欲につながる成果物〈作品〉の交流や展示の仕方の工夫。

◇実践発表  京丹波町立丹波ひかり小学校 林 佳子 教諭

「今までの学びを生かして、自分で読める児童を育てる」「叙述に着目して読み、単元のゴールに向かって深く考える児童を育てる」「児童に身につけさせたい力を明確にし、単元構想を工夫する」という3つのポイントを意識して取り組まれた、6年生「時計の時間と心の時間」の実践を発表いただきました。

 充実した実践を通し、特に下記の点について学ぶことができました。

・  「単元構想シート」を活用し、児童に身につけさせたい力を明確にした、単元構想の工夫。

・  学んだことを使いながら自分の力で読むことの大切さ。

・  「説明的な文章の読み方」を読み方シートとして教室に掲示し、単元の導入時に毎回確認することにより、身に着けた力を活用しようとする意識を育てる。

・  児童の気付きから設定する≪単元を通した課題≫。

・  文章全体の構造を把握する全文シートの活用。

・  児童の意欲を高める効果的な音読の仕方。

◇演習「シンキングツールを使おう!」

 実際に「くまでチャート」や「プロット図」などを使った国語科の実践を紹介しながら、どのような学習活動でシンキングツールを効果的に活用することができるかを考えました。2学期の授業に向けて、教師自身が「チャレンジしてみたい」という思いを高めることができました。

◇④協議(レポート交流)

 1学期の実践レポートを各自が持ち寄り、交流しました。児童の主体性を引き出すための工夫、言語活動の充実、表現力の育成、タブレットの活用など、創意工夫された実践から互いに学び合うことができました。和気藹々といた雰囲気の中で、国語科の指導における悩みや課題についても共に考える中で、2学期の実践への意欲を高めるよい時間となりました。

令和4年度 南丹・船井小学校教育研究会 第2回国語科部会 報告

◇令和4年10月5日(水) 京丹波町立瑞穂小学校

内容

①  公開授業  1年 「くわしくかこう」  指導者 京丹波町立瑞穂小学校 中西 啓樹教諭

  <学習課題>

②事後研究会 

○研究協議内容

ž   導入時、教師からモデル文を示すことや、実際に教師がシンキングツールを使って例を示すことで、「何を」「どうしていくか」という活動の見通しをもつことができていた。活動の見通しを持たせることが、児童の意欲喚起につながる。

ž   教師の問いかけにより、児童の意見を引き出し、児童の意見をつないでいくことが重要。また、教師の児童への褒め言葉や一人一人を認める言葉が安心感を育て、発表への意欲を高める。

ž   「家の人に使える」というように、相手意識を明確にすることは、子どもたちが目的意識をもって取り組むために大切。

ž   「整理しよう」というめあては、妥当だったか。書きたいことを整理することをねらうのであれば、整理する観点が必要。ねらいに沿っためあての設定、めあてを達成するための支援を工夫する必要がある。

ž   ペアやグループ活動の設定の仕方。させかたの工夫。

ž   ICT活用と同時に、低学年であるからこそ「実物を観察する」「五感で感じる」ことを重視する。

ž   「書くこと」と「タブレット活用」のバランス
 

③研究協議(実践交流と教材研究)

〇府小研理事会で発表された研究協力員の先生の実践を紹介後、④グループに分かれて協 議

 

④まとめ

○授業研では、活発な意見の交流ができた。研究授業を通じて、場を共有し、協議をすることにより、授業づくりについて学び合うことができることを実感した。

○教師の世代交代が進む中、学校を超えて教員が学び合うことにより、互いに刺激を受けた

り他校の実践から学んだりすることができる。本研究会を充実させていくことが、地域全体の授業力向上につながると考える。

令和3年度

第1回部会報告

【日時】令和3年7月28日(水) 13:30~16:45

【会場】京丹波町中央公民館   参加者 17名/20名

【内容】

(1)研究テーマ、年間活動計画の確認

(2)講演

演題:「ことばの力を高め、主体的・対話的で深い学びの実現を  
     目指した国語科の授業づくり」

  講師:京都府南丹教育局 山本奈緒子指導主事

(3)実践発表 

  題:説明的文章の授業づくり

~「文章を読んで分かったことや考えたこと 伝え合おう『く
    ちばし』」の授業を通して~

八木東小学校 松尾香里教諭

(4)交流協議 「一学期の実践及び、2学期の教材研究について」

研究の成果

ž  京都府南丹教育局 山本指導主事のご講演では、「身に付けた力が生きて働く単元デザイン(カリキュラム・マネジメント)」を工夫していくために、「①単元のゴールを明確にし(地図を共有し)⓶めあての達成に向けて(中継地を経由しながら)③見方・考え方を働かせて(見通しをもって)④主体的・対話的な活動で、めあてを達成していく」といった単元づくりの在り方について、また、「授業に活かす評価について」具体的な例を用いながら、教えていただき、学びを深めることができた。

ž  八木東小学校 松尾香里教諭の実践発表では、1年生教材「くちばし」の実践をもとに、①指導事項を明らかにし、単元のねらいを明確にした単元づくりの工夫 ⓶児童の主体的に学ぶ力を喚起するための教師の手立て ③児童が学びのツールとしてタブレット端末を活用している具体的な実践等について、報告いただいた。充実した授業実践から学ぶとともに、熱心に取り組まれている姿に刺激をうけた。
研究協議では、これまでの実践の交流と、2学期以降の教材研究  をペアやグループで行った。互いの実践を交流することにより、2学期以降のの教材をどう扱うのかについて情報共有できた。

令和元年度

■第2回研修会
 7月24日(水)南丹市立八木東小学校において、講演会と実践レポート報告及び研究協議を行いました。
 講演会では南丹教育局児童主事より「どの子も主体的に学び、ことばの力を高める国語科の授業づくり~主に書くことの指導を通して~」を演題に指導を受けました。講演では、①指導と評価の一体化を図ることが大切で、特に「書くこと」については書く過程を重視すること、②単元の構想に当たっては、単元のゴールを見据えて、回を追うごとに学びが深まるような単元をつくることなど、具体的な演習を交えながら、部員相互で深く学ぶことができました。
  続いて、京丹波町立丹波ひかり小学校から、11月1日の府小研実践報告に向けて、6年生の「ようこそ、私たちの町へ」で実践した概要を報告しました。①課題設定の時間に児童の「書きたい」という意欲を高めることが重要であること、②誰に、何を目的として書くのかを明確にすることでその後の学習活動が円滑に行える、ということを学ぶことができました。
 また、研究協議では、1学期(これまで)の実践の交流と、2学期以降の教材研究をペアやグループで行いました。できるだけ同じ学年同士でグループを編成したことで、2学期以降の教材をどう扱うのかについて情報共有することができました。
 
■第3回研修会
 11月20日(水)南丹市立殿田小学校において、授業研究会と実践発表会を行いました。
1 授業研究会
   公開授業学年:南丹市立殿田小学校 第5学年
   単  元  名:「季節の言葉3 秋の夕暮れ」
2 実践発表会
   発  表  者:南丹市立園部小学校 第3学年
            「主体的に学び、言葉の力を高めるために」
                    京丹波町立丹波ひかり小学校 第4学年
            「どの子も主体的に学び、ことばの力を高める国語科の
授業づくり~書くことの授業研究~」
授業研究会では、5年生の「季節の言葉3 秋の夕暮れ」の単元を扱いました。獲得した語彙と授業で学んだ古典の表現を用いることで、児童が主体的に秋に関する短文を書く様子を参観することができました。
実践発表一つ目は、3年生の「食べ物変身ブック」を作る授業における指導の発表でした。「すがたをかえる大豆」で学習した説明文の工夫をふまえながら「食べ物変身ブック」を作る学習について紹介があり、読み手を意識して書くことや「読むこと」の学習を「書くこと」の学習に繋げることが重要であることを学ぶことができました。
実践発表二つ目は、クラブ活動を紹介するリーフレットを作成する学習についての発表でした。本実践で使われた上下分割型原稿用紙について話題になり、ワークシートの工夫により、記述や推敲がしやすくなることについて学ぶことができました。
 両実践とも子ども達の書きたいという意欲を引き出すことに成功し、意欲的に書くための指導の在り方について参考となる点が多くありました。

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