一人一人の歩みに寄り添う学校でありたい
「一雨一度」、夏の暑さがうそのように近頃は雨が降る度に少しずつ気温が下がってきているように思います。
日曜日は清掃ボランティアをお世話になり、ありがとうございました。京都府の小学校の中でも三本の指に入りそうなくらいの広い運動場が本当にきれいになりました。ありがとうございました。
さて、その日の午後、私の住んでいる地域で行われた「発達障害と不登校児の子育てを語る会」に参加し、南丹市在住の木版画家である吉田悠太さんとお母様のお話を聞きました。当時、「不登校は悪いこと」という偏見の中で、学校にも社会にも押しつぶされそうになったこと。けれども、不登校であったからこそ出会えた人々や出来事が今の自分をつくっていること。そして、学校には行けなかったけれど、様々なことに挑戦し続けてきたこと。何より、家族が「一緒にやろう」と寄り添い、見守り続けてくれたことなどについて、悠太さんが力強く語られました。そして、お母様からは、学校への厳しい言葉とともに、これまでの葛藤や不安と怒り、その中に見出された希望や温かなつながりについてお話いただき、その一言一言に心を揺さぶられたようなことです。
また、自分の目で見て、自分の心で確かめることや社会的マイノリティの立場に立つ大切さにも触れられました。多数派の価値観だけで物事を判断してしまうと、小さな声や見えない思いは置き去りにされてしまいます。子どもたちの今を理解しようとするならば、そうした小さな声にも耳を傾けているか、些細な変化を見逃していないか、常に問い続けることの必要性を改めて感じさせられました。
学校と家庭がともに子どもを育てていく中で、学校や我々が子どもや保護者に寄り添えていないのではないかと感じたいくつかの場面を思い出しながら聞いていました。私たちは子どもにも保護者の皆様にも寄り添いたいと願っています。しかし、理解している気になっているだけではないか、思いを押し付けているだけではないか…子どもだけでなく、保護者もまた悩み、日々向き合っておられる姿に、我々も真剣に悩み向き合えるようでありたいと思いながら聞いていました。
子どもたちには、すばらしい今とすばらしい未来があります。(もちろん大人の我々にも)これからも子どもたちを真ん中に保護者の皆さまとしっかり気持ちを通わせながらともに歩んでいける学校、どの子もどの家庭も決して一人にはしない学校でありたいと思っています。
10月18日(土)は運動会です。どうぞ、ご家族そろって地域の皆さまもそろってお越しください。 校長 中田 匡恵