入学式式辞

式 辞

 

遅咲きの桜が満開となり、春の陽気が感じられるこの佳き日、令和四年度、京丹後市立峰山中学校入学式を挙行するに当たり、ご来賓として京丹後市教育委員会 教育長 松本明彦(まつもと・あきひこ)様、本校PTA会長 荻野啓介(おぎの・けいすけ)様、そして多くのご家族の皆様にご臨席を賜りましたこと、高段からではございますが、厚く御礼申し上げます。

 

さて、先ほど呼名をいたしました九十四名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。本校の在校生、並びに教職員一同、皆さんの入学を心より歓迎いたします。皆さんは、今日晴れて峰山中学校の一員となりました。これから始まる中学校生活に「よし、頑張るぞ」という強い決意を抱く一方で、「大丈夫かな」という不安もきっとあることでしょう。


多くの人達と新たに関係を築くこと、教科ごとに先生が変わること、部活動や生徒会活動のことなど、大きな変化に戸惑うことがあるかもしれません。しかし、皆さんは、峰山学園保幼小中一貫教育のもと、コロナ禍ではありましたが、部活動体験や中学校授業体験を行い、他校の同級生にも、峰山中学校のこの体育館や校舎にも、そして中学校の先生方にも少なからずなじみができたのではないでしょうか。小学校六年間で培ってきた力を信じて、積極的にいろいろなことに挑戦してほしいと思います。

 

さて、峰山中学校では皆さんが将来、自分の夢や目標を実現させ、社会に出て豊かな人生を送ることができるよう、三つのことをお願いしています。昨日の始業式でも、二年生・三年生に伝えました。

一つ目は夢や目標に向かって、常に『向上心』をもって学習してほしい、ということです。将来の夢や希望を実現させるためにはしっかりとした学力が必要になります。勉強の苦手な人もいるかもしれませんが、『向上心』を常に持ち、受け身ではなく主体的に学習する中学生になることを期待しています。

 

二つ目は『つながる力』を身につけようとしてください。授業の中、部活動の中、行事の取組の中、そして日常の何気ない生活の中で、お互いの良さを認め、相手の気持ちに寄り添いながらしっかりと話を聞き、理解しようとする、そして、自分の考えを丁寧にしっかりと伝えようとするなど、積極的にコミュニケーションを図り、いろいろな人と良い関係を築くことができる、そんな『つながる力』を身につけてください。また、『つながる力』は、困ったときに「助けてほしい」といえる力でもあります。思いやりの心を大切に、全校がつながり、みんなに居場所のある、そんな学校を創っていきましょう。

 

そして、三つめは「自分で疑問を持ち、自分で考え、自分で解決を目指すこと」を大切にしてほしいということです。自分だけで解決できそうにないことは、仲間の力を借りて一緒に解決を目指すことも大切になります。中学校ではこれを「探究」といいます。皆さんも、新型コロナウイルス感染症のこと、ウクライナとロシアのことなど、見聞きし、考え思うこともあると思います。世の中にはなかなか答えの見つけ出せないことが増えてきました。そんな中でも、夢と希望を見失うことなく、自ら考え、行動し、解決を目指す生き方が大切になります。もっと身近な京丹後市に関わること、SDGsに関わることなど、「自分で疑問を持ち、自分で考え、自分で解決を目指す力」を、この三年間で、みんなで協力しながら身に付け、高めてほしいと思います。

 

今日は『向上心を持って学力を高める』『つながる力を高める』『探究する力を高める』の三つを覚えて帰ってください。

 

後になりましたが、ご家族の皆様、本日はご入学、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。中学校に入学する今日の晴れ姿を見られて、喜びもひとしおのことと思います。

中学校生活に対する期待とともに、一方では不安も大きいのではないかと拝察いたします。中学校時代は、心身ともに成長が著しく、心が大きく揺れ動く時期でもあります。コミュニケーションがだんだんと難しくなる時でもありますから、心配なことがありましたら、遠慮なく学校へ相談してください。家庭と学校とが共通理解を図り、同じ歩調で支援・指導することが子ども達の健やかな成長につながっていきます。

私たち教職員も、生徒たちの限りない成長のため、精一杯努力する所存ですので、ご家族の皆様、地域の皆様、関係者の皆様のご支援・ご協力を、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

結びにあたり、新入生の皆さんの輝かしい前途を祝福するとともに、本日ご臨席賜りました皆様のご健勝とご多幸をお祈りし、式辞といたします。

 

 令和四年四月八日

   京丹後市立峰山中学校長

 上田 隆嗣

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