持続可能な社会をつくっていく上で、地球環境を守ることは最も大切な課題のひとつです。 本校は豊かな自然環境にめぐまれ、地球環境問題に取り組む象徴となっている「京都議定書」発祥の地である国立京都国際会館が身近にあります。このような条件を生かし長年にわたって生徒・教職員が一体となって環境保護活動に取り組んできました。KES認証を毎年更新し、エコ京都21の認定も受けています。また、これまでに環境大臣、環境省、京都府、京都市から表彰を受けました。
▋環境委員会による環境保護活動
学校全体で行う環境保護活動は、クラスから選出される環境委員を中心に取り組んでいます。生ゴミをミミズが食べてできた堆肥や雨水・地下水を利用して植物を育てたり、近隣の河川の生物を調査しています。ゴミの分別によりゴミを減らすことや節電を呼びかけることもしています。
▋地域とむすぶ環境教育
近隣の大学や研究機関、小学校などと連携した授業もあります。環境問題を学び、討論し、自分たちのテーマを設定して探究していく授業を通して、環境問題に対する意識が高まり、課題解決力や表現力を高める取り組みとなっています。
総合地球環境学研究所 研究基盤国際センター コミュニケーション部門
教授 阿部 健一
2016年から総合地球環境学研究所(地球研)が北稜高校と教育協定を交わし、「地球環境学の扉」を始めた。地球環境問題について考える授業だ。
地球環境問題については、みんないやというほど耳にしていると思う。地球温暖化や生物多様性の喪失という言葉が思い浮かんだ人もいるだろう。ともあれ問題解決。何か面倒くさくて、しんどそうだな、と思っているかもしれない。そして、とはいっても問題解決は専門家や政治家が考えることだから、自分たちは関係ないと思っているかもしれない。
はっきり言っておこう。それは間違っている。少なくとも僕らは、つまり北稜高校と地球研は、違うと考えている。地球環境問題に立ち向かうことは、本当のところ楽しいことで、だれかどこかの偉い人にまかすのはもったいないと思っている。
地球環境問題が提示しているのは、人々が今のままの生活を続けると地球の環境は元に戻らないほど悪くなり、その結果われわれの生活も脅かされてしまう、ということだ。「今のままの生活を続ける」というところがミソ。対策を講じなければならないのだが、今のままではなく、むしろ今より豊かな生活にすることもできる。必ずしも今の生活の質を落とすことではないのだ。
つまり地球環境問題の解決とは、今までとは違うやりかたで、自分たちの将来をより豊かにすることを考える、ということになる。難しく言えば価値観の転換。既存のモノにとらわれず、自由に発想する。前向きであって,少しワクワクしてこないだろうか。
ただそう簡単ではない。実は結構難しい。準備のための勉強もしなければならない。でもみんなで一緒に考えると楽しいし、楽しく考えれば難しいこともなんとかなる。それが北稜高校の「地球環境学の扉」だ。ぜひこの扉をたたいて、中を覗いてほしい。
・ミミズ堆肥を用いた草花の栽培(地域の駅や施設に寄贈)
・京都ゆかりの希少植物の栽培(フタバアオイ、キクタニギク、フジバカマなど)
・大気、水質調査(校内の大気調査、近隣河川や池の水質・生物調査など)
・各クラスにおける環境チェックの実施(節電節水、ゴミ分別など)
・太陽光発電(年間発電量の公表と節電啓発)
平成27年 6月19日 京都府環境保全功労者として表彰される
平成27年12月14日 京都環境賞 特別賞「環境教育賞」を受賞する
平成27年12月18日 環境省より、水・土壌環境保全活動功労者として表彰される
平成28年 6月 8日 地域環境保全功労者として環境大臣から表彰される
令和元年 12月19日 京都環境賞 特別賞「環境教育賞」を受賞する
令和3年 2月 3日 全国ユース環境活動発表大会「優秀賞」を受賞する
平成29年度から2年生文理コースの1講座で毎週1時間、地球研から地球環境学の研究者に来て頂き、連携授業を行っています。1年間で学んだことを地域の小学生に伝える環境学習交流会も行います。
・総合地球環境学研究所と教育協力に関する基本協定を締結(PDF)
・基本協定書(PDF)
令和2年2月11日「第11回KYOTO地球環境の殿堂」国際シンポジウムに本校の生徒が参加しました。
令和3年2月13日「京都環境フェスティバル2020」高校生による気候行動サミットに本校の生徒が参加しました。
令和3年11月15日「第12回KYOTO地球環境の殿堂」国際シンポジウムに本校の生徒が参加しました。