北稜という学びの場


 北稜の階段には、踊り場がたくさんあります。それはまるで迷路。校舎と校舎をつなぐ渡り廊下には、止まり木のごとく机といすが点在し、北稜生の学びを待ち続けています。怪しおもしろいポスターが貼られた廊下を抜けると、図書館という名のジャングルが口を開き、中庭を歩けば、誰かが育てる実験植物が手を伸ばす。ビオトープの奥ふかい水底には、ちょっと見たことのない生き物の姿。その横のベンチでは、お弁当をほおばる北稜生。漂うのはトランペットの音と球を追う声と...。

 比叡山を遥かに望む我が校は、そんな深みのあるたたずまいをもって北稜生を迎え入れます。十代後半の、最も多感で、心がみずみずしく成長する、その時を過ごす北稜生を包み込みます。北稜という学びの場は、そのたたずまいのように、たくさんのカードを用意しています。国際教育、環境教育、表現活動、地域の問題解決隊、部活に行事に...。そして、なにより、奇跡のように北稜で出会うかけがえのない友との時間。北稜には、「〇〇だけではない」豊かな時間が流れています。世に言う、「正解のない時代を生きる力」は、こんな北稜の多様性の森で育つように思います。

 北稜は、「テーマ性のある普通科」として、唯一無二の時を重ねてきました。そして、今、岩倉の自然と人々に愛されながら、「とがった魅力を持つ普通科」として、さらにいっそうの飛躍を目指しています。どうぞ、これからも、北稜という学びの場を、温かく見守っていただきますよう、お願いします。

校長 荒田 和子
 
 
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