教育内容

 

 令和6年12月21日(土)、東京都立日比谷高校において第8回中高交渉コンペティションが開催されました。

 このコンペティションは、学習指導要領「公民」において示される、合意形成や社会参画する力を育成するため、社会的な見方・考え方を働かせて社会的事象について考察するものです。また、紛争解決や合意形成する力を育成するため、アメリカ全土のロースクールではほぼ必修科目となりつつある「交渉学」の考え方や技能を身に付けることを目標としています。

 莵道高校では、1年生1名・2年生3名・3年生1名の有志5名が参加しました。参加生徒は、参考文献として提示された『ハーバード流交渉術』の中で紹介されている「交渉の7つの指針」を踏まえて交渉準備を進めていきました。具体的には、放課後を活用して各自で調べたことをミーティングで発表し、意見交換を重ねて論点化をすすめていきました。また、以前コンペティションに参加した卒業生や教員を巻き込んで模擬戦を行うなど、とても意欲的に取り組みました。

 交渉テーマは「まちづくり・再開発についての交渉」であり、行政組織の市、鉄道会社、ショッピングモールを経営する私企業の三者による交渉を行いました。三者交渉は、二者の交渉に比べて難易度が高く、相手方のそれぞれの立場を考慮して準備を進めることに苦労していました。しかし、ミーティングを繰り返す中で、個別に問題解決を図るのではなく、三者それぞれの利益を示しながら、複数の問題を関連付けて交渉することを見出していきました。

 当日は、東京都立武蔵高校と福井県立若狭高校と対戦しました。
 順位は競うものの、交渉の合意に向けて、敵対することなく相手の主張を聞き入れ、効果的に提案を行うことで、見事合意までこぎ着けました。参加した21チームのうち、惜しくも3位以内入賞は逃してしまいましたが、相手方の要求に対して準備資料を用いて提案をする姿は自信に満ちていました。