この夏、学校図書館では、みんなの人生を豊かにする「これからの図書館」像を探る展示企画を開催していました。7月の夏休み前から始まり、文化祭で終幕した「未来の図書館」の12の機能展示には、全部で200ポイント以上のポイントシールが貼られ、ひとつひとつの図書館像について、しっかりと想像し、考える機会となったと思います。
そのなかで紹介されていた"イマドキ"の図書館機能に、「ラーニングコモンズ」と、「ファブラボ(「メイカーズ・ラボ」ともいいます)」があります。
ラーニングコモンズは、同志社大学などの大学図書館等では、いまでは当たり前になってきた存在です。例えばファミリーレストランのボックス席程度のスペースに、ホワイトボードやPCモニターを備え、複数人で資料を検討したり、打ち合わせや意見交換をしたりするのに使いやすいスペースのことをいいます。複数人で話し合う時は、出た意見を"見える化"したいものです。そこで、学校図書館では、どこででも手軽に書くことができて、窓や壁に掲示もできるホワイトボードペーパーを導入しました。
ちょっとした相談事に、考え事をまとめるメモ替わりに、グラフィックレコーディングの練習に、自由に使ってみてください。
このペーパーは、静電気で壁に貼ることもできるので、学校図書館の外に「伝言版」として1枚設置しました。放課後の図書館には、友達を探しにくる生徒がよくいます。行き違いになりそうな時などに、活用してください。
また、議論の材料には、情報が必要なもの。学校図書館には、各自が調べたことをメモし、考えを整理したり、共有したりするための「情報カード」もあります。自由に使ってください。
一方の「ファブラボ」は、プリンタやカッティングマシンなど多様な工作機械を備え、だれでも自由に利用できるようにした設備のことをいいます。近年、日本人の働き方も変化し、人によっては会社に属さず、個人の才能を活かした新しい仕事を創造する人も増えるなど、多様化する社会の変化にともない、それらを支援する機能として日本でも注目されるようになってきました。
学校図書館では、これを「メイカーズ・ラボ」と名付け、様々な文房具や原稿用紙、ダンボールカッターや目打ちなどの工作道具、製本道具を揃えました。また、物語の創作や読み聞かせの練習などのために、パペット人形も置いています。
これらは館内利用のみで、貸出はできませんが、おおいに活用して、みなさんが頭の中で想像したり、胸の内に秘めていたりするアイデアを、ぜひ、形にしてみてください。