やってはだめなことには、心にストップがかけられるように 全学年で非行防止教室

 6月19日(木)は5・6年と7~9年に、20日(金)は1・2年と3・4年というように、全学年で非行防止教室を行いました。講師は、昨年度に引き続き、福知山警察署生活安全課人身安全・少年係スクールサポーターの鍋島様にお世話になりました。

 まずは、最近増加傾向の自転車運転に関わる交通事故についての話でした。自転車に乗るときは、「自転車とヘルメットはワンセット!/自転車は車と同じ車両です/信号や標識を守って運転/歩道は歩行者が優先の場所」と言われました。自転車も「車両」であるという意識が大切で、自転車の歩道通行に関するルールを守るようにと強調されました。また、令和8(2026)年4月から施行される、自転車の反則金制度についても言及されました。16歳以上の自転車利用者の交通違反に対して、青切符が発行され反則金が課されるようになります。

 さて、非行防止教室の「非行」とは、そもそもどういう意味でしょう?社会には守るべきルールや決まりがあり、それを逸脱する行為は、「犯罪」です。20歳未満の犯罪行為を「非行」ということを教えてくださいました。小中学生に最も多い非行は、窃盗せっとうです。「服や鞄に隠したりして、自分のものにしたら、お店を出なくても万引きなる」ということ、「窃盗に限らず、犯罪を手伝えば『共犯』となり、犯罪をするよう依頼したりそそのかしたりすれば『教唆犯きょうさはん』となる」こと、「盗んだ物と知りながら、買ったり貰ったりすると、『盗品等有償とうひんとうゆうしょう無償むしょう)譲り受け罪』となる」のです。軽い気持ちで行った行為が、次第に罪の意識が薄れていってエスカレートしていく怖さや、窃盗に暴力が加わって強盗罪や傷害罪と、どんどん大きな罪になっていき、その代償も大きくなるということを学びました。

 窃盗の次に多いのが暴力で、殴る、蹴る、石や物を投げるなどの「暴行罪」、その行為によって怪我をさせれば「傷害罪」となります。そんなことにならないよう、「イラッとしたら6秒がまん!!」と教えていただきました。イラッとしたときに、6秒間がまんすることで、気持ちが落ち着くので、暴力行為を抑制できるという方法です。1秒でも100秒でもよいのですが、とにかく「心が考える時間を作る」ということが大切なのだということです。

 暴力には、言葉の暴力やいじめといった、心に対する暴力も含まれます。「侮辱罪ぶじょくざい」「名誉毀損罪めいよきそんざい」に当たる行為です。それらによって相手が病気になったら、「傷害罪」となります。「人には、それぞれの考え方や他人に入ってほしくない『自分のゾーン』があります。相手のことを思いやる心が、犯罪被害も加害も防ぐはずです。人が嫌がる行いは、人としてやってはいけないことです。」「体の傷は見えるけど、心の傷は見えない。だから、苦しみが分からないことがあるけど、どんなやり方でも、人を傷付ける行いは、全て犯罪です。」と仰いました。

 また、近年インターネットによる犯罪が増えているので、児童生徒が被害者にも加害者にもならないよう、ネットを利用する際の留意点について、多くの例を基に分かりやすく話していただきました。悪いことをしようとする人は、親切な振りをしてみんなに近付いてきます。ゲームやアニメなど相手の好きな話をしたり、丁寧に話や悩みを聞いたり、落ち込んでいる時はすぐに慰めたり…これらは、信頼してもらうための行為なので、面会を求めても断れなくするための「手なずけ(グルーミング)」です。インターネット上でしか知らない人なのに、本当にいい人だと思い込んでしまうと、だんだん話が性的なことを要求されるようになるなどエスカレートしていき、写真などを送ってしまうと…「画像を流出させるぞ。」と脅迫されたり、会うことを要求されたりすることもあるのです。そして、「一度流した情報は回収不可能。だから恐ろしい。何年後か、大人になった時、また流出することもある。」のです。

 だから、「ゲームやSNSなどで知り合った人と会わない。/写真や動画は見せない。送らない。/名前や学校、住所など個人情報など、大切なことは話さない。」ことをしっかり心に留めておかないといけません。

 何かをしようとした時に、「家族や自分が傷付いたり困ったりしないか?/人に迷惑をかけていないか?/約束やルールを破っていないか?」と考えてみて、一つでも当てはまれば、やってはだめなことなのだと、心にストップがかけられるようにしていきたいですね。

 鍋島スクールサポーター、大変分かりやすくお話をしていただき、ありがとうございました。

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