7年ジョブガイダンス その1

 1月17日(金)に、7年生が大江山鬼そば屋の共同店主、佐々井飛矢文としふみ様にお越しいただき、ジョブガイダンスをお世話になりました。この学習は、社会に出たときに必要な知識や心構えなどを学ぶキャリア教育の一環として行いました。

 大江山鬼そば屋は、170年の歴史をもつそば屋です。なぜ「鬼そば」と呼ぶのかというと、麺の硬さ、太さに由来します。昔、硬いことを「こわい(強い)」と言っていました。「生そば」と書いて「きそば」と読みます。そこで、雲原の「こわいきそば」を看板として名を馳せました。旅人は、「こわいきそば」という言葉を聞くと、「怖いと言えば、大江山の鬼のこと。だからそばと言うのか。」と勘違しましたが、その話が広まって、「おにそば」と呼ばれるようになったのだそうです。

 さて、店主の佐々井さんには、たくさんの夢がありました。トラック運転手、野球選手、プロレスラー、家政学者、ファッションモデル、自衛官などなど…。その中にそば屋というのは、なかったとのことです。では、なぜ今そば屋を営んでいるのか?それは、大学院の研究で大江鬼そば屋と出会い、経営難にあると知ったことがきっかけでした。170年続くこの店をこのまま閉じさせてよいものか…。お客さんの笑顔を見ていたい…。後継者がいない?じゃあ、継ぐか!となったそうです。実際は、この決断に至るまで多くの葛藤があったと想像できます。

 そもそも赤字の店で、自分はそば屋になりたくはない、これまで経営の勉強をしてきていない…と現実の問題が立ちはだかります。そこで、やりたいことや、なりたいものへの道は我慢し、がんばるしかないと思ったそうです。佐々井さんは、これを「妥協」と言われていました。ここで重要なのは、「妥協は、諦めじゃない。」ということです。

・カフェが好きだけど、近くに全くない。→自分の店でコーヒーを出す。

・そばばかり作っているとつまらない。→いろいろな料理を作る店にしてしまう。

 重要なのは、「がんばり」に裏打ちされた妥協であるということです。妥協してがんばることで、だんだん良いことが起こるようになってきました。店の売り上げが伸びていきました。新聞やテレビに出るようになりました。友人や仲間が増えてきました。そして、みんなの笑顔が増えてきました。

 「夢が遠かったはずが、近付いてきている!」と佐々井さんは感じました。どんなに夢と違う状況でも、夢を忘れないで努力し続けていたら、だんだん楽しくなってくる。「それが私のキャリア」だと仰っていました。

 7年生にとって、将来について考える機会となる、大変良いお話でした。

 この日のジョブガイダンスは、これで終わりではありません。お話に引き続いて、そば打ち体験をさせていただきました。それについては、また後日掲載します。どうぞお楽しみに。

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