9年人権講演会

 12月6日(金)に、9年人権学習のまとめとして、京都・東九条CANフォーラム代表、東九条マダン元実行委員長、音楽家の朴実パクシル様にお越しいただき、「共に生きる社会を求めて~東九条マダンに託す願い~」と題してご講演をお世話になりました。朴様は、在日朝鮮人2世として京都市でお生まれになりましたが、帰化により日本国籍となりました。しかし、帰化時に強制された「日本的氏名」から民族名を取り戻す日本初の裁判により、民族名を勝ち取りました。さらに、帰化時に行われていた10指指紋返還訴訟を起こし、これにも勝訴されました。

 朴さんの生い立ちから、ご自身やご家族が就職や結婚などで受けた差別、それに立ち向かってこられたお話から、人生の重みが感じられました。「おかしいと思うことには、協力し、(権利を)勝ち取っていかなければいけない。」という言葉には、心を揺さぶられました。

 ハングル語で「広場」を意味する「マダン」という言葉を冠した「東九条マダン」開催に至るまでのご苦労や、現在の状況などを生徒たちに熱く語りかけていただきました。東九条マダンでは、韓国の伝統音楽サムルノリと、日本の和太鼓のコラボレーションが行われています。初めは別々に演奏を行っていたのですが、回を重ねていくうちに「共に生きたい。」という思いを両者が抱くようになって、コラボの話が持ち上がり、曲が作られていったということです。動画を視聴しましたが、2拍子と3拍子が絶妙にシンクロする演奏は、不思議な魅力を放っていました。

 最後にピアノの弾き語りで、朴様ご自身が作詩作曲された『ウリエ・アボジ・オモニヨ』(わたしたちの父よ母よ)をご披露くださいました。「玄界灘の荒波を越えて日本に来たが、自分たちを育ててくれた父母を忘れはしない。」という内容の歌詞です。

 朴様、お忙しい中ご講演をありがとうございました。今年度の人権学習の目標の一つである、「在日外国人への差別を解消して共生社会をつくるには、どのような行動が必要か。」を深く考えることができました。

タイトルとURLをコピーしました