〔お知らせ〕令和8年教育長新年あいさつについて

 年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 まずはじめに、年末からの高病原性鳥インフルエンザ対策にあたりましては、職員、教職員の皆様に、昼夜を分かたず24時間体制での防疫措置や現場対応に従事いただき、深く感謝申し上げます。

 今回は、京都府庁全体として危機管理対応にあたったところですが、学校における危機管理や災害対応に取り組んでいく必要性を改めて感じました。こうした観点からも、引き続き、皆様のご尽力をお願いできればと考えております。

 さて、昨年開催されました「大阪・関西万博」は、京都府内の子どもたちにとっても、様々な国の文化や価値観に触れ、多様性への理解を深める貴重な機会となりました。こうした生きた体験を通して、国際的な視野を養い、自分自身の価値観を確立することは、子どもたちが変化の激しい時代を自分らしく、豊かに生き抜くための大切な糧となるものです。

 急速な人口減少や社会構造の変化が進む今、次代を担う子どもたちが変化を前向きに捉え、主体的に行動できるための力を育むことが強く求められています。

 そのため、学校の中だけにとどまることなく、企業や大学、地域社会とともに、子どもたちの発達段階に応じた多様な学びを深められる環境づくりを一層進めてまいりたいと考えております。

 小・中学校においては、京都府独自の学力・学習状況調査「学びのパスポート」により、児童生徒の学びの状況と、学びへの姿勢や知的好奇心などの資質・能力との関連性が、着実にデータとして蓄積されてきました。今後は、このデータを活用し、市町(組合)教育委員会と緊密に連携しながら、一人一人に応じた学びを実現してまいります。

 こうした取組を通じて、効果的に学力を高め、誰一人取り残すことなく、個性や能力を最大限伸ばす教育を進めてまいります。 

 高校教育においては、すべての生徒が夢や希望の実現に向けて学ぶことができる高校を目指し、教育内容と施設設備の両面での更なる充実を図ってまいります。企業・大学との協働による探究学習の深化や留学制度の拡充、ICT環境や教育設備の整備を加速させることにより、府立高校の魅力を一層高めてまいりたいと考えております。

 すべての生徒に学びの場を保障するという公立高校の使命を果たしつつ、産学公民の連携により、学校の枠を越えた学びの場を創出することで、京都から日本の未来を切り拓く人材を育成してまいります。

 特別支援教育では、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの構築を目指し、個別最適な学びと協働的な学びの一層の充実を図るための指針策定を進めております。

 すべての子どもが自分らしく学び、成長し、地域社会の一員として自立し、他者と協働する力を育むための環境整備と、一人一人のニーズに応じた学びを通じて、社会参加の可能性を広げる教育の推進に取り組んでまいります。

 昨今、不登校児童生徒数は増加傾向にあり、その背景や要因が多様であるからこそ、一人一人に寄り添う支援が不可欠です。第2期京都府教育振興プランの基本理念である「包み込まれているという感覚」を土台とし、相談窓口の拡充や居場所づくりなどの総合的なサポートに加え、日常的な児童生徒との関わりをより深めることで、未然防止から早期解消まで、すべての子どもたちの学びの保障に努めてまいります。

 また、より良い教育の実現のためには、教員が子どもたちと全力で向き合える環境の確保が欠かせません。働きやすく、働きがいのある職場を目指し、教員の処遇改善と働き方改革を一層進めてまいります。

 さて、昨年は、文化・スポーツ分野で大きな喜びがありました。

 文化面では、これまで50年にわたり調査を進めてまいりました「恭仁宮跡」が、昨年末の文化審議会において「特別史跡」に指定する旨の答申がありました。これは、府内では69年ぶり4件目、京都市外では府内初となる極めて重要な価値をもつ遺跡として評価されたものです。

 今後、その価値を次代に継承するため、文化庁や地元自治体等と連携しながら、恭仁宮跡の活用や整備に関する基本構想を取りまとめてまいります。

 スポーツ面では、昨年の第79回国民スポーツ大会において、京都府は昭和63年の京都国体以来の最高成績となる総合3位に輝きました。選手団の皆様が一丸となって最後まで全力で戦い抜いた成果であり、今後もさらなる高みを目指し、競技力の向上に努めていきたいと考えております。

 今年の干支は「丙午」です。成長や繁栄の象徴とされる午のように、子どもたちが自由な発想と躍動感をもって、自らの未来を力強く駆け抜けていけるよう、家庭、地域、企業、大学の皆様とともに手と手を携えて京都府の教育の充実・発展に全力で取り組んでまいります。

 結びにあたり、本年が、皆様にとって健やかで希望に満ちた一年となりますよう心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

 令和八年一月  

  京都府教育委員会教育長 前川 明範