令和4年度
南丹・船井小学校教育研究会 道徳部会報告
1 日 時 令和4年11月16日(水)
2 場 所 南丹市立園部第二小学校
3 内 容
○研修
①実践交流(グループ・全体交流)
「おすすめの教材」「紹介したい授業実践」「ICTを使った授業展開」等について
②研究協議(グループ協議)
・指導案検討(主発問にせまる)
4 成果と課題
(1)研修より
【実践交流】
・各学年、特別支援学級、複式学級と様々な状況の中で学習を展開していくための教材の選定や活動等の工夫について交流し、実態に応じた細やかな配慮についても共有することができた。
・教材の設定や登場人物の関係など、初見では、十分に理解できていない実情等が交流の中で出された。教材の内容を理解させる手だてについて話し合われ、家庭学習での事前学習等、児童を話し合いに参加させるための指導の必要性を確認することができた。
【研究協議(指導案検討)】
・高学年教材「夏の日のこと」を使用し、①内容項目の設定②中心発問の検討を行った。昨年度の研修で学んだ「教材の構成の把握」についてそれぞれがワークシートにまとめ、グループ協議に臨んだ。
・どのグループも内容項目を設定する場面で協議が難航した。教材を通して考えさせる道徳的価値を見極める難しさを感じるとともに、普段の授業でも内容項目を意識しなければ、児童が考える道徳的価値が焦点化しないということに気付くことができた。
・中心発問として取り上げる文章を通して「見えないこころ」を問えているかが協議の中心となり、国語の読み取りになっていないか気をつけながら検討することができた。
(2)成果
・実践交流を通して効果的に学習を進めるための様々な工夫や手だてについて交流することができた。また、普段の授業の悩み等についても話し合うことができ、互いにアイデアや思いを共有することで道徳授業に対する情熱を高め合うことができた。
・研究協議を通して、授業を構成していく上で大切にしていくべき本質的な部分を確認することができた。教材をしっかり読み込み、「考え、議論する道徳」にしていくために取り組むべきことを協議できたことはとてもよかった。
(3)課題
・研究協議での部分的な授業研究は行えたが、1時間を見通した授業研究ができていないので、来年度は授業公開を核として、研修を行う必要がある。
・評価については、今年度研修内容には入れなかったが、現状としてまだまだ理解や認識が不十分なことが多く、今後も研修していかなければならない。
令和3年度
1 日 時 令和3年11月24日(水)
2 場 所 南丹市立園部第二小学校
3 内 容
○講 演
・演題「考え・議論する道徳に向けた授業づくりとその評価について」
・講師:京都府総合教育センター
研究主事兼指導主事 岩崎 佳子 先生
・質疑応答
4 成果と課題
(1)事前アンケート結果交流
【道徳に対するイメージ】
・「道徳が好きか」に対する否定的回答が約半数で、授業をうまく進められない苦手意識や「決まった価値観を押し付けてしまう」恐れを感じている。
【授業づくり】
・中心発問について考えさせる時間を多くとること、一問一答にならず、いろんな考えを引き出す発問の工夫、ワークシート等児童が取り組みやすい手立て等様々なことを心がけている。
・児童の心を揺さぶるような発問や授業の山場を作ることの難しさ等の授業構成面での悩みや、教材を読み取れなかったり、表現したりすることに課題のある児童にどのように指導をすればよいかという個別指導に関わる悩みが多い。
【評価】
・1時間の児童の心の動きを見とるためのワークシートや机間指導の工夫など、気付きや変容を見逃さないように心掛けている。
・授業での評価と学校生活での評価に相違がある場合の取り扱い、適切な通知表の表記について、授業での学びを日常生活の行動に結びつける指導についてなど、教育活動全体での評価に関わる悩みが多い。
(2)成果
【授業づくり】
・ワークショップを通して中心場面の捉え方、中心発問のつくり方、多様な発言の引き出し方について理解を深めることができた。
【評価】
・児童をどのように評価するのか、評価すべき点や成長を見とる上で重視すべき点について理解を深めることができた。
(3)課題
・ワークショップでの部分的な授業研究は行えたが、1時間を見通した授業研究ができていないので、来年度は授業公開を核として、研修を行う必要がある。
・授業づくりについては講演等で学ぶ部分と、実践で確かめていく部分で指導力を高めていく必要があり、本研究会では講演と実践交流を行っていきたい。
・評価については、大くくりの評価と通知表の評価等まだまだ理解や認識が不十分なことが多く、引き続き研修していかなければならない。
令和元年度
1 授業公開
日 時 令和元年10月9日(水)
場 所 南丹市立胡麻郷小学校
学 年 第1学年
授 業 者 渡邊 百愛 教諭
主 題 名 あいてに しんせつに
『はしのうえのおおかみ』
内容項目 B 親切、思いやり
2 研究授業
・児童一人一人が大切にされており、温かい雰囲気が教室中に広がるような授業であった。おおかみが橋の上でとった行動を、劇化することで児童がおおかみになりきって気持ちを発表することができていた。1年生(低学年)場合、内面に迫るための動作化は効果があり、お面や紙芝居という教具も準備されており工夫されていた。また、板書も色分けや心情の変化が見て分かるようになっており、児童にとって見やすい工夫をされていた。
3 研究協議
・子どもの意見から生活に返る機会を生み出す場を設定することができればよい。
(例)「6年生の真似をしたいです。」→どのような出来事なのか。etc
・発言や役割演技等、多くの児童の考えを聞くため、同じ児童に偏らないよう配慮する。
・振り返りの時間は、自分自身に返ることができるように意識する。
・道徳教育の目標より「つなぐ」ことの意味を考える。
「自己を見つめ」・・・主人公と自分をつなぐ
「多面的・多角的に」・・・友達と自分をつなぐ
「生き方についての考えを深める」・・・前の自分とこれからの自分をつなぐ
4 実践発表
発表者 京丹波町立竹野小学校 1年担任 河原惠子 教諭
南丹市立園部小学校 1年担任 井野直美 教諭
〇1年教材「にわのことり」の実践を通して
・道徳教育の目標を達成するために、指導方法の見直しを行うことは大切なことであり、本当に大切なこととはどのようなことなのか、自分なりの考えを深めることのできる授業展開を工夫されていることが分かった。
・役割演技によって、みそさざいとやまがらになって、自分の考えを発表することは、研究授業でもされたように、1年生には大変効果があった。そうすることで、友達は大切だと考えたり、一緒にいてくれることは嬉しいと思ったりすることができた。