校長室から

「学び」は知的好奇心から

 例年よりも早い桜の開花を迎えた今春、本校は創立150周年を迎えました。3月には106人の卒業生を送り、明日の入学式で56人の新入学児童を迎えます。全校児童数は約50人の減少となり444人、総勢48人のスタッフでの出発です。
 今年度も、「みんなでつくる みんなの富野小学校」をテーマに、学校運営を進めていきます。それは、「すべての子どもに居場所があり、すべての子どもに学びがある学校」を追究することで実現したいと考えています。子どもは子どもの中で育っていきますので、学び合うことは学力だけでなく、人間関係力も高めていくことにつながると思います。
 学ぶことにおいて大切なことの一つに、「知的好奇心」があります。学びたいという気持ちを動かす大きな原動力です。授業では、知的好奇心を高めるための様々な仕掛けをつくることを大切にしており、そのための営みを教材研究といいます。私たちは、ここに最も多くの時間をかけたいところですが、現実はなかなかそうはなりません。それでも、できるだけ多くの力を注ぎたいと思っています。
 知的好奇心を高めるポイントを紹介します。
■子どもが興味のある場所へ行く
 まずは子ども自身が「学ぶことは楽しい、知ることは面白い」と実感することで、知的好奇心が芽生えやすくなります。見学や体験に行ったりすることは、こうした実感を得やすくなります。
■子どもが自分で選択できる環境を用意する
 知的好奇心には、子どもが自分で意思決定できる環境が必要です。何かを「知りたい」と思う気持ちは、自己肯定感からも育まれます。自分を信じ、自分で決定するからこそ、新しい知識を得ることに価値を感じられます。
■さまざまな人の価値観に触れる機会を用意する
 知的好奇心とは「何かを知りたい」と思う気持ちです。「世の中には自分の知らない世界がたくさんある」と認識することで、知的好奇心はグングン高まっていきます。一緒に学ぶ仲間、様々な技術や経験を持った大人(社会人講師)との出会いも、好奇心を高めることにつながります。
■大人(親・教師など)が楽しんでいる様子を見せる
 大人が楽しそうにしていることは、放っておいても真似しようとします。子どもにとって、最も身近なお手本となる大人は、親や教師です。大人が学ぶことを楽しみ、わかる、できる、解決するなどの喜びを楽しむことが大切だと思います。逆に、子どもにビジョンを押し付けると、多くの場合、嫌になってしまって長続きしなくなります。
 学校、家庭、地域全体が、子どもの知的好奇心を刺激する環境になるよう、今後も様々な連携を模索していきたいと考えています。後になりましたが、本年度も学校運営にご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。

令和5年(2023年)4月
校長 柴田 敬

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