学校生活

 

 昨年度の12月より、科学部では雄のニホンジカ(3齢)の骨格標本を作っています。

 科学部が主に活動している生物実験室には、すでに先輩達が作った雌ジカの全身骨格標本が展示してあります。しかし、そんな彼女に彼氏を作ってあげたいという希望もあり、たまたま手に入った雄ジカを全身骨格標本にして、一緒に展示しようとなったのです。

 展示するような骨格標本の作製には、大きく「解体」「除肉」「漂白」「組み立て」という4つのステップが必要です。小さな動物ならまだしも、今回相手にするのはニホンジカ、しかも立派な雄の個体です。過去に雌ジカの骨格標本を作ったときも、その大きさから大変な作業だったのに、今回はそれ以上の巨体です。解体は勿論のこと、除肉にも非常に長い時間がかかりました。それだけでなく、この雄ジカは腰骨と脊椎の一部が破損しており、それを何とかして修復しなければならないという状態でした。さらに除肉中、カラスによって前肢の一部が持って行かれるという事故まで発生し、作業は難航します。

 今年度になっても、なかなか作業は進みませんでした。しかし、引退を控えた3年生を中心に、「1学期中に完成させて、文化祭で展示しよう!」という目標が立てられ、作業ペースが加速します。そして1学期終業式の日、ついに巨大な骨格標本が完成しました。

 そんなわけで今年の文化祭では、完成した雄ジカの全身骨格標本を展示します。その大きさだけでなく、一見どこが分からない修復された骨など、見所たっぷりです。また、これまでに科学部が作ってきた骨格標本や、魚類調査の研究発表など、一緒に面白い展示もする予定なのでお楽しみに。2日目(9/8)の13:30からは、液体窒素を使った実験教室も実施します。生徒の皆さんは是非とも遊びに来てください。