学校生活

 

 莵道高校には「莵道の森」と呼ばれる学校林(裏山)があります。ここは京都市の大文字山から連なる峰の一部であり、ニホンジカをはじめとした多くの哺乳類を見ることができます。校舎のすぐ近くに学校林がある高校は京都府内でも珍しく、科学部では林内に自動撮影装置(赤外線センサーカメラ)を設置して、出現する動物の調査をしています。

 センサーカメラは一度設置すると1ヶ月程度は稼働するため、春休みなど長期休暇中も設置しています。新学期が始まったので、そのデータを回収し、撮影された動物を記録していきます。今回もニホンジカ、テン、ハクビシンなど、様々な動物が写っていました。

 学校林で一番多く見られる動物はニホンジカです。現在ニホンジカは全国的に増加しており、学校林でも年々撮影数が増加する傾向にあります。それどころか夜になって学校から人がいなくなると、グラウンドや校舎の近くまでやってきて、足跡を残したり、糞をしたり、花壇の花を食べたりしています。莵道高校はニホンジカと共にある学校なのです。

 今回もそんなニホンジカがたくさん撮影されていました。特に興味深いのは、角がとれたばかりの雄ジカが写っていたことです。ニホンジカは雄にだけ角がありますが、この角は毎年生えかわっています。春先に生えていた角が落ち、また新しく伸びてくるわけです。だから、森の中で地面を探していると、シカの角を拾うことができたりするわけです。3枚目の写真は頭に黒い丸がありますが、ここが角の生える部分です。なかなか面白い状態の写真が撮れたと思います。

 科学部がセンサーカメラを使った学校林の動物調査を始めてからもうすぐ5年が経ちます。昨年度は調査結果をまとめた研究発表で賞をいただくこともできました。今年度も、引き続き学校林の動物を見ていきたいです。