学校生活

 

 3月1日に卒業式が実施されました。科学部の3年生2人も無事卒業していったわけですが、そんな3年生に向けて、科学部の1・2年生は3学期にやるべきことがありました。それは、昨年度より始めたアライグマの骨格標本を完成させることです。

 昨年度、科学部はとある場所で捕獲されたアライグマ(割と立派なオス)の遺体を手に入れました。解剖し、外側の毛皮はなめして標本にしたわけですが、中身を骨格標本にする作業はあまり進まず、今年度に持ち越されていました。しかし、センサーカメラの記録データをまとめたり、研究発表に向けた準備に手を取られて、今年度もなかなか標本作りに取り組むことができませんでした。京都総合文化祭の後、「3年生が卒業する前に標本を完成させたい」「先輩の卒業前にお披露目したい」という思いで、本格的に骨格標本作製を進めていきました。


 科学部では、次の手順で骨格標本の作製をしました。


(1)頭部、胴体、四肢などパーツに分ける。

(2)鍋で煮て、肉を取り除いていく。

(3)骨にこびりついた肉をポリデントで分解する。

(4)過酸化水素水で、いい感じの色に漂白する。

(5)ドリルで骨に穴を空けて、針金を通して組み立てる。

(6)針金でつなげない骨は、ホットボンドやUV硬化樹脂で固定する。

(7)標本台を準備し、組み立てた骨格を固定する。


 そして2月19日、ついにアライグマの全身骨格標本が組み上がりました。解剖したのが昨年度の7月なので、標本完成まで1年半以上かかった一大プロジェクトでした。卒業式前日の放課後、3年生にも無事お披露目することができました。

 この思い出のアライグマは、これからも生物実験室に展示される予定です。科学部ではない生徒の皆さんも、実験の授業などで生物実験室に入ったときには、是非アライグマの骨格標本をご覧ください。