今こそホンモノの体験を

今年度が始まり、2ヶ月になろうとしています。さわやかな気候が続き、晴れた日はぽかぽかとして気持ちがいいです。運動するにはちょうど良い季節となり、朝や休み時間には、グラウンドに出て走り回る子どもの元気な声が聞こえてきます。

 ところで、新学期、学級開きの中での話ですが、自己紹介にて自分の好きな遊びとして紹介するのは、ゲーム(いわゆるテレビゲーム)がほとんどです。今やゲームは、様々な形態があり、種類も豊富で、ひとりでするものから多人数でするものなど、遊びの中心となっています。大人も子どもも夢中となるのはわかります。

一方、学校の中では家からゲームを持ち込むことができないので、別の遊びを考えます。おいかかけっこ、鬼ごっこ、ドッジボール、サッカーなど外でする遊びから、トランプやけん玉など室内でする遊びなどが多いです。とても楽しそうに遊んでいます。しかし、残念ながらそれらの遊びは、自己紹介での好きな遊びに登場することは少ないようです。

先日、4・5・6年生は、大阪・関西万博の見学に行きました。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに約160の国や地域から参加し、各国や企業からのたくさんのパビリオンでの展示があり、子どもたちも大屋根リングやパビリオンでの見学やいろんな国の方と触れ合いました。写真や映像で見る世界とは違い、大きさを感じ、匂いを感じ、触れたり、聴いたりとホンモノに触れることで、多くのことを吸収してきました。何物にも代えられない貴重な経験でした。

ICTの発達により、離れていても仮想体験や多くの情報を得られることも大きな経験ですが、ホンモノには勝りません。同じように、学校で多くの子どもたちが直接触れ合い、遊びや、学びをすることは、今後の社会生活において大変重要です。認め合い、尊重し合うことで自己肯定感が養われます。でも失敗すること、もめること、怪我をすることも生きていく上で貴重な経験です。身を守ることを自分で考えるのが大切です。これは、へこたれない力が養われます。さらに、学力との関連性も高いことがデータ上も明らかになっています。今こそホンモノの体験を増やしていきませんか。お家での料理や掃除などの家事の体験もいいそうです。

学校では、休み時間や授業の中で、今後もホンモノの体験は大切にしていきます。好きな遊びであるゲーム(仮想世界)に負けないように、現実の面白さが伝えられることも目指していきます。               下村  敦

タイトルとURLをコピーしました