アフリカの奥地にある小さな村。
今日は成長した少年たちが戦士になる、特別な日。
ヤクーバたち少年は、ライオンと一人で戦って、勇気を示さなければならない。
夜になって、ヤクーバはついにライオンに出会った。
しかし、ライオンは傷ついていて、その目はこう語っていた。
「おまえには二つの道がある。
わしを殺せば、立派な男になったと言われるだろう。
もう一つの道は、殺さないことだ。
そうすれば、ほんとうに気高い心を持った人間になれる。
だがその時は、仲間はずれにされるだろう。
どちらの道を選ぶか、それはおまえが考えることだ。」
ヤクーバは、ライオンを殺し、村から認められる名誉ある戦士になるのか。
それとも、傷ついたライオンを殺さない選択をするか。
6年生は、道徳の教科書にある「ヤクーバとライオン」という物語を通して
「本当の勇気とは」という視点で、自分ならどちらを取るか議論しました。
「戦士になるために、傷ついていたとしてもライオンを殺すのが勇気ではないか」
「傷ついたライオンを殺しても、名誉なことではない。それが勇気だとも言えない」
「ライオンを殺さず村に帰ったら、仲間はずれにされてしまう。親も悲しむ。」
「それだけで仲間外れにするような友達はいらない。ライオンを殺すのは可哀想。」
「ライオンは村の牛を食べに来る。牛や村を守るために、ライオンを殺す覚悟を持つことが勇気だ」
議論は白熱していました。
この題材は、「人間の気高さ」を主題とし、
「人間誰もが持っている弱さや醜さを乗り越えていくことの素晴らしさに気付き、
自らの生き方に生かそうとする心情を養うこと」をねらいとしています。
しかし、単に「動物愛護」的な価値観ではなく、
その村の正義とはちがう、自分の中の正しさを貫く勇気や、
本当の仲間とは、といった価値観を考えます。
そして、一人一人の考えの違いを感じたり、
話し合う中で思考が深まっていくこともねらいとしています。
他者の意見を聞いて、自分の考えが変わった人もいました。
正義や勇気、誠実など
一側面の道徳的価値の押し付けにならないように、
話し合いをする中で、自分の考えを深めていくことができたようです。
毎日学校でいろんなことを考え、話し合って、
考え方も変わっていきます。
昨日のお子さんと、今日のお子さん、
家にいる時の見た目は変わらないかもしれませんが、
どんどん成長していっていますよ!