学校部活動に係る活動方針

京都府学校部活動及び地域クラブ活動推進指針(令和6年3月策定)に基づき、京都府立海洋高等学校 学校部活動に係る活動方針を策定する。

はじめに

高等学校の部活動は、学習指導要領において「生徒の自主的、自発的な参加により、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するもの」と示されている。また、「学校教育活動の一環として、教育課程との関連が図られる」とともに、「地域や学校の実態に応じ、地域の人々の協力や各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにする」とも示されている。

学校教育活動の一環として行われる部活動は、興味と関心を持つ同好の生徒が、教員等の指導の下、自主的・自発的に行うものであり、より高い水準の技術や記録に挑戦したり、競技会・発表会等に参加し、活動を実践したりする中で、楽しさや喜びを味わい、学校生活に豊かさをもたらす意義を有している。

本校では、一人一人の生徒が、学校に軸足を置いた生活となるよう、積極的な部活動への加入、参加を求める。また、部活動を通じて、一人一人の生徒が、クラスや学年の枠を越えた仲間や教師(顧問)と触れあう中で、それぞれの発達段階に応じた自主性、協調性、責任感、連帯感をを醸成し、社会に貢献できる人間力を育むことを目的とする。さらに、部活動によって生徒が学校生活をより一層充実させ、地域のスポーツや文化の振興に寄与することを期待する。

1 練習時間・休養日の設定等

「京都府学校部活動及び地域クラブ活動推進指針」に基づき、生徒が学習をはじめとする学校での活動と家庭での生活がバランスよく行えるよう種目特性や練習内容、大会や発表会等の予定を考慮しながら発育・発達による体力の向上や自己管理能力の向上等、中学校教育の基礎の上に多様な活動が行われている点に留意するとともに、地域や学校の実態を踏まえ、次のとおり設定する。

  1. 練習時間
    • 合理的でかつ効率的・効果的な練習を行い、長くとも平日は3時間程度(朝練習を含む。)、土・日曜日及び祝日に実施する場合は4時間程度とする。なお、施設の割当や公式戦に向けた練習(試合)等の状況により、必要に応じて、土・日曜日及び祝日の午前・午後の連続した活動を認める。
    • 長期休業中の練習については、土・日曜日及び祝日に実施する場合に準ずるが、教職員・生徒ともに十分な休養が取れるよう、ある程度まとまった期間の休養日を設ける。
  2. 休養日
    • 週当たり1日以上設定する。なお、月当たり2回程度、土・日曜日に設定するよう努める。
    • 長期休業中の休養日については、学期中に準じた扱いをするとともに、ある程度長期のまとまった休養日を設け、生徒に十分な休養を与える。

2 活動方針・活動計画(年間・月間)等

部活動は、「生徒が学習をはじめとする学校での活動と家庭での生活がバランスよく行えること」を併せて、「教職員がゆとりあるワーク・ライフ・バランスを維持することができるよう、指導に当たる教職員(顧問)は、年間を通した適切な活動計画を作成する。

  1. 活動計画の作成
    • 年間を通して、1年間を試合期、充実期、休息期等に分けてプログラムを計画的に立てるとともに、参加する大会や発表会等を精選する。
    • 活動計画の作成にあたっては、指導にあたる教職員(顧問)は、主体となる生徒との意見交換、協議を行うとともに、学校部活動運営の理念や活動方針、目的、目標を示した上で、年間計画から長・中・短期的目標を立案し、練習や試合、発表会、イベント等の活動計画について、年間・月間の計画表を作成する。
  2. 活動計画等の周知
    • 活動計画の内容や変更については、該当生徒及び保護者等に書面及び学校HPで事前に示す。また、校外での活動に係る実施要項についても同様に事前に示す。

3 指導の在り方

  1. 適切な指導
    • 教職員(顧問)は、医・科学の研究成果を積極的に習得し、指導において積極的に活用する。
    • 成長期にある生徒のスポーツ障害・外傷やバーンアウト等を予防するとともに、心理面の疲労回復のために、適切な練習時間や休養日を設定するなど、合理的でかつ効率的・効果的な練習を行う。
    • 発達の個人差や女性特有の健康問題(エネルギー不足、無月経、骨粗しょう症等)について、正しい知識を持ち指導に当たる。
    • 大会や発表会等で勝つことのみを重視し、過度な練習を強いることがないようにする。
    • 生徒の多様なニーズに対応し、多くの生徒が部活動に参加できる環境を整える。
  2. 体罰(暴力)、ハラスメント行為の防止
    • 指導者の個人的な考えや方針により不適切な活動にならないように十分留意しなければならない。
    • 体罰(暴力)・ハラスメント行為は、生徒に対する人権侵害であり、いかなる理由があろうとも許されるものではない。
    • 体罰(暴力)・ハラスメント行為を防止するため、指導者は生徒との関係が支配、被支配の関係になる危険性があることを常に意識し、日常の活動を通じて、生徒とのコミュニケーションを密に図りながら信頼関係を構築しなければならない。
    • 指導者は、指導と称して殴る・蹴ること等はもちろん、懲戒としての体罰(暴力)も禁止である。
    • 指導者による、生徒の人間性や人格の尊厳を損ねたり、否定したりするような発言や行為は許されない。
    • 指導者は、体罰(暴力)が、直接受けた生徒のみならず、その場に居合わせ、目撃した生徒の後々の人生にまで、肉体的、精神的に悪い影響を及ぼすという認識をもたなければならない。
  3. ハラスメント行為の防止

ア セクシャル・ハラスメント

  • 指導者と生徒の人間関係の中で、親しさ等のつもりの発言や身体的接触等が、生徒を不快にさせる性的言動となる場合があり、不快に感じるか否かは、生徒によって個人差が見られることから、指導者の言動を生徒自身がどのように感じ、捉えるかが非常に重要であることを指導者は常に認識しておかなければならない。
  • 特にSNS等による個別連絡の制限や個別指導や面談等が密室において行われることがないようにし、未然防止に努める。イ パワー・ハラスメント
  • 指導者と生徒の人間関係の中で、言葉や態度による脅し、威圧・威嚇的発言や行為、嫌がらせ等、また、身体や容姿に係ること、人格否定的(人格等を侮辱したり否定したりする)な発言等は、あってはならない。

イ パワー・ハラスメント

  • 指導者と生徒の人間関係の中で、言葉や態度による脅し、威圧・威嚇的発言や行為、嫌がらせ等、また、身体や容姿に係ること、人格否定的(人格等を侮辱したり否定したりする)な発言等は、あってはならない。

4 安全管理と事故防止

  1. 安全管理体制の確立と怪我・事故等の防止
    • 教職員(顧問)は、計画的な活動により、各生徒の発達の段階や体力に係る疲労状況や精神状況、技能の習得状況等を適切に把握し、無理のない練習となるよう留意する。
    • 指導者は、怪我・事故等が起こった場合の医療機関・関係者等への連絡体制の整備や心肺蘇生法(AED設置状況及び使用方法等)など、危機管理の手引きに基づき対応する。
    • 校内施設、設備、用具等の定期的な点検を行う。
    •   ・ 他の部活動と活動場所を共有する場合は、顧問間の連携等により、生徒同士の接触・衝突の回避や球技等では防球ネットの配置など、安全対策を講じる。
    • やむを得ず直接部活動に立ち会えない場合は、他の部活動の顧問等と連携・協力した上で、あらかじめ安全面に十分に留意した活動内容や方法を指示するとともに、活動内容や状況を事後に把握する。
  2. 熱中症対策
    • 熱中症予防のため、事前に「暑さの指数」(WBGT測定器の活用等)を確認し、適切な休息時間の設置や水分補給等に留意する。
    • 気象庁の高温注意情報が発せられた当該地域・時間帯における活動を原則として行わないなど、適切に対応すること。
    • 高温や多湿時において予定している練習や大会について、練習を見合わせたり、大会の延期や見直しを図ったりする等、柔軟な対応をすること。
    • 練習や大会において、こまめな水分・塩分の補給や休憩の取得、参加生徒の適切な選抜、観戦者の服装や着帽等、生徒の健康管理を徹底すること。
    • 熱中症の疑いのある症状が見られた場合には、早期の水分・塩分の補給や体温の冷却、病院への搬送等、適切な対応を徹底すること。
    • 海上での練習を場合は、部員の活動が掌握でき、また常に緊急連絡が取れる体制で活動を行う。
  3. 気象変化対策
    • 海況、ゲリラ豪雨、落雷、突風、竜巻、ひょう等の(急激な)気象変化の情報を常に収集し、想定される危機を考慮した上で、練習時間・場所の判断、練習の中止の判断等を行う。特に、海上で練習を行う場合は、海況等による中止規準を設ける。

5 学校全体での部活動マネジメントの確立

  1. 校長(管理職)の役割
    • 校長は、部活動が「生徒が学習をはじめとする学校での活動と家庭での生活がバランスよく行えること」と併せて、教育的意義、生徒及び顧問の心身への負担軽減の観点から、参加する各種大会を精査するとともに、顧問の大会運営及び業務の関わり方についても、日常の校務等に支障をきたさない範囲の運営体制を整える。
    • 校長は「学校部活動に係る活動方針」及び各部の活動計画等に基づき、活動状況の把握を行うとともに、体罰やハラスメント行為等の防止に向けた校内研修を実施するなど、適切な部活動指導の徹底に努める。
    • 校長は、部活動検討会議を設置し、部活動の意義、運営や指導の在り方、各部活動の活動内容等について検討するとともに、全教職員の共通理解の下、学校としての指導体制を構築する。
    • 校長は、教職員(顧問)による部活動に係る金銭の徴収及びその管理について、生徒・保護者等への適切な周知を図るよう、指導を徹底する。
    • 校長は、学校部活動における活動方針や活動計画(年間・月間)等をHPで公表するなど明確にし、入部時や保護者会等で生徒や保護者等に十分に説明し、理解や協力を得ること。
    • 校長は、定期的に保護者会等を実施し、学校からのさまざまな情報提供や保護者等のニーズを把握するなど、互いに情報共有をすることにより、学校部活動の運営や指導の改善、生徒の状況把握等に努めること。

(令和6年度改訂)