令和5年3月1日、卒業証書授与式を挙行しました。冬の寒さが少し和らぎ、春の到来を感じられる今日、全日制普通科213名、農業科15名、園芸科9名、農芸化学科30名、定時制普通科4名、計271名が卒業し新たな一歩を踏み出しました。
【卒業証書授与】
担任が呼名をした後、全日制普通科、農業科、園芸科、農芸化学科、定時制普通科、それぞれの代表生徒が登壇し、卒業証書を受け取りました。
【校長式辞】
式辞一部
明るい、春の光が、四尾山に降りそそぐ、今日の良き日に、京都府議会議員 四方源太郎様をはじめ、多数の御来賓の皆様、並びに保護者の皆様に御臨席賜り、ここに令和四年度 京都府立綾部高等学校卒業証書授与式を、挙行できますことは、私たちにとってこの上ない喜びであります。高壇からではございますが、厚くお礼申し上げます。
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皆さんは綾部高校に入学してから、5月中旬まで休校となりました。コロナ禍での高校生活は3年に及びました。思い描いていた高校生活が送れず、悔しい思いがあったことと思います。私たちは「不要不急」の言葉のもと、様々な行動制限を受けました。必要でないもの、今やらなくても良いことを、そぎ落としました。私たちは3年がたち「不要不急」なものこそ、人間が人間らしく生きるためには必要だと、痛いほど気づかされました。
（略）
さて、卒業生の皆さんは、今日からそれぞれの人生に向かって、新たな出発をすることとなりました。社会の変化は早く、しかも激しい時代です。デジタルイノベーションにより、仮想空間や仮想現実を用いた授業が展開されることでしょう。AIは更に発展し、ロボティクス技術と結びつき、私たちの生活は、益々自動化が進むことでしょう。地球が誕生して、４６億年、人類が誕生して２００万年、猛獣たちに襲われ、木の根を食べていた人類は、恐るべきスピードで社会を発展させています。
私たちは、約６万年前、アフリカの大地から世界各地に進出した、ホモ・サピエンスというヒト属です。ホモとはヒト属、サピエンスとは賢いという意味です。私たちは賢い人なのです。ネアンデルタール人、デニソワ人など他のヒト属は、全て絶滅しました。ホモ・サピエンスだけが、この地球上に生き残りました。なぜ、私たちだけが生き残ったのか。言語や文化をもった、1000人規模の大きな社会を構成できたからだと、考えられています。祭礼や音楽をシンボルとして、集団をまとめ、言語によって意思疎通を図り、社会を築いていきました。そして、小規模で暮らす他のヒト属を吸収し、地球上で唯一、生き残ったヒト属として、世界各地で子孫を残してきました。1000人規模の社会は国家となり、多様な文明を築きました。今や私たちの人口は８０億人を超えています。
しかし、地球上で、同じヒト族同士の紛争や戦争が絶えません。ロシアのウクライナへの軍事侵攻は、1年となりました。多くの命が奪われ、廃墟となった街、将来を描けない悲しみ、決して許されることではありません。また、この戦争は、世界のエネルギー情勢を一変させ、食料供給に大きな混乱をまねいています。
歴史を振り返れば、戦争で多くの人々の命が失われました。人権の軽視が戦争につながり、戦争でさらに、人権が侵害される、悪循環が続いています。この悪循環を、断ち切らなければなりません。ホモ・サピエンス 賢い人として、人が人として、お互いの価値観を認め合い、多様な考え方を受け入れ、あらゆる差別や偏見をなくし、自由と尊厳を、平等に守っていく世界を、私たちは築く使命があります。
私たちは今一度、自由とは、平和とは、考え直すときだと思います。アメリカ合衆国で、黒人への人種差別撤廃運動を主導し、非暴力主義を唱え、市民として、法律上平等な地位を獲得するために、人生を捧げた マーチン・ルーサー・キング牧師。1963年、20万人を超えるワシントン大行進での演説です。
「I have a Dream 私には夢がある。いつの日か、ジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の子孫たちと、かつての奴隷所有者の子孫たちが、兄弟の間柄として、同じテーブルにつくという夢が。」
「I have a Dream 私には夢がある。いつの日か、不公平と抑圧という灼熱の炎にさらされているミシシッピ州でさえ、自由と正義のオアシスへと、生まれ変わるという夢が。」
「I have a Dream 私には夢がある。いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色ではなく、人格の中身によって、評価される国で暮らすという夢が。」
いよいよ出発の時が来ました。皆さんが、これから歩む道は、誰も歩むことができない、唯一の道です。人生にゴールはありません。どこに行き着くのかを問わず、ただ、ひたすら進んで下さい。そして、その道には、不可能という言葉はありません。
道がなければ道をつくればいい。最初の一歩を踏み出してください。希望があるところに人生があり、希望が新しい勇気をもたらしてくれるでしょう。
（略）
卒業生のみなさん。新しい扉を開く時が来ました。扉の向こうには燦々と輝く、未来が待っています。「Be brave」勇敢であれ。私は信じています。みなさん一人一人が地球の未来を照らす光だと。
【PTA会長祝辞】
【在校生送辞】
【卒業生答辞】
【卒業生退場】自信に満ちた表情で、3年生が巣立ちました。
【LHR】生徒は各HRにて、個別に卒業証書を受け取り、クラスメイトへの感謝の言葉を述べていました。
