ウィキペディアタウンin琴引浜(3Q)に参加しました。

 2019年526日(日)、琴引浜鳴き砂文化館で開催された、地域のことを本で調べてオンライン百科事典wikipediaで発信するオープンデータ企画「3Qタウン Wikipedia town in 琴引浜」に、2年生の生徒8名と先生2名が参加しました。地域情報をwikipediaで発信する取組は、社会にイノベーションを起こす地域リーダーの育成をめざす福井県の丸岡高等学校が、クラブ活動「地域協働部」の活動の柱とするなど、いま全国の学校現場に広まりつつあります。3Qタウンには、久美浜高校生8名のほか、網野高校生1名、丹後地域の高校6校の教職員を含む26名が一般参加し、東京・愛知・大阪・静岡など全国各地から集結したボランティアのwikipedia編集経験者の助言と、主催である琴引浜ガイドシンクロと久美浜高校から持ち込んだ図書資料のほか、京都府立図書館、京丹後市立図書館の資料協力を得て、総勢37名で開催されました。
 鳴き砂の音は摩擦音なので、乾いていないと「鳴く」ことはありません。連日好天に恵まれたイベント当日のコンディションは素晴らしく、「鳴き砂を笑わせる」達人ガイド・岡田氏の実演では歓声があがりました。


 午後からのwikipedia編集では、日本のウィキペディアタウンを先導してきた代表的な人物の1人でもあるwikipedia編集者・日下九八氏から、高校生にもわかりやすい言葉でwikipediaの仕組みと著作権や検証可能性など、インターネットで情報発信をしていくなかで留意すべき注意事項と図書資料の活用の大切さを講習いただいてから、編集作業に入りました。


 久美高生8名は、5名が「はだしのコンサート」の新規記事作成に、3名が「鳴き砂」の既存記事の加筆に挑戦しました。
 
「鳴き砂」の3人は、すでに作られていたwikipediaの記事から抜けている、日本全国の鳴き砂の浜を図書資料を基に加筆。東日本大震災が鳴き砂に与えた影響なども調査し、自分達がwikipediaに書いたことを、それを読んだ第三者も調べることができるように、出典を付けて投稿しました。
 ゼロからの記事作成となった「はだしのコンサート」の5人は、題材の性質が近い「サマーソニック」のwikipedia記事を参考に、題材の解説に必要な情報をピックアップし、出典を付けてまとめました。書籍資料が見当たらず、まとまっている情報源が少ない「はだしのコンサート」では、最初は何を書くべきなのか戸惑いが見られましたが、生徒の1人が携帯電話に残していた昨年のはだしのコンサートの写真を掲載すると、戸惑いが晴れたように一気に編集が進みました。
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新規作成記事「はだしのコンサート」
 ・加筆編集記事「鳴き砂」

 イベント後の感想文には、「初めての体験で楽しかった!」「勉強になった!」と「!」が17個も飛び交う満足度の高さが窺われ、「こういう学習に参加することの大切さを感じた」「知識の幅が広がった」「これからの探究活動に活かしていきます」と、これからの学校生活への意気込みも新たにしたようでした。

 この取組について紹介したレポートは、『図書館雑誌』2019年12月号に、特集「情報リテラシーを巡って 学校図書館を核に」で紹介されました。