龍谷大学生と共同研究・Wikipedia編集を体験! ウィキペディアタウン参加

 7月25日(日)、丹後町を流れる宇川に生息するアユについて、上宇川漁協の網漁を見学し、20年にわたって生態調査を続けられた瀬川信一氏の講演を聴き、その内容を文献調査と紐付けてオンライン百科事典Wikipediaに新項目「宇川のアユ」を作成するという地域探究活動ウィキペディアタウンが開催されました。丹後町東部の宇川地域の活性化に取り組む龍谷大学ら「宇川スマート定住促進会議」が企画したもので、本校の学校図書館司書がWikipedia編集講師として継続的に参画しています。

 今回は、学校での探究授業で環境問題をテーマとしていた3年次生の安達雄馬さん、中江絵里香さんが参加し、龍谷大学生5名や地域のみなさんとともに、アユの生態研究地として国際的に知られる河川の環境と、国営農地やダム建設などの地域開発との関連などについて学びました。

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 イベントでは、午前中にまず丹後町平にある宇川親水公園に集合、宇川スマート定住促進会議代表の小倉伸氏、上宇川漁業協同組合長の酒井満雄氏から宇川のアユ漁について紹介いただき、熟練の漁師の方2名が実際にアユを漁獲する様子を見学しました。また、集落に水を引く用水路や、堰に設けられた魚道などについて解説をいただきました。獲れたアユの写真を撮ったり、触ってみたりと、最近ではなかなか機会のない体験ができました。

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 午後は丹後町久憎にある宇川アクティブライフハウスに移動し、京都大学の研究に引き続き、アユの研究を20年にわたって続けてこられた地元の研究者・瀬川信一氏に、宇川のアユについて講演いただきました。宇川上流での国営農地開発やダム建設の関連や、いま計画されている大規模な風力発電施設建設などについても紹介があり、地域の環境問題をテーマに探究学習を進めている生徒達は、真剣に聞き入っていました。

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 フィールドワークと講演で予備知識を得た後は、京都府立図書館や京丹後市立図書館、本校の学校図書館などで集めた図書資料をベースに、オンライン百科事典Wikipediaに「宇川のアユ」という新しい項目を作成しました。まず、宇川のアユを構成する要素にはなにがあるか、全員で意見を出しあい、図書の十進分類法に照らして集めた情報を整理しました。その後、各自が興味のある観点から宇川のアユについてさらに調査し、Wikipediaを編集しました。

 龍谷大学生とペアを組んで文献調査し、「宇川のアユ生息環境」節の執筆に参加した安達さんは、「こうした学習は大学でもやっていくことになると思うので、高校生のうちに体験することができて良かった。」と語り、秋以降に峰山町で開催される予定のウィキペディアタウンにも関心を高めていました。

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 この取組の様子は、8月1日発行の読売新聞の折り込み「読売たんごニュース」や、8月28日から9月3日にかけて放送された京丹後市ケーブルテレビの「週間!ニュース」でも紹介されました。また、当日Wikipedia編集の助言者として参加していたAsturio Cantabrio氏のレポートでも詳しく紹介されています。Asturio氏には、Wikipediaのアカウント作成など基本的なWikipedia編集の準備に関して、初参加の久美浜高校生達をサポートしていただきました。ありがとうございました。