【オススメブックリスト2021特集vol.6】 近本学副校長先生のオススメ本

 私が今回オススメするのは、『イギリスはおいしい 林 望(著)です。

 英語教員のはしくれでもある私は、イギリスの、特にスコットランドが好きです。中央(イングランド)に虐げられてきた歴史に共感を覚えるのかもしれません。当然、はじめての海外旅行(30年以上前!)はイギリス。一人旅(いわゆるバックパッカー)でした。飛行機の往復チケット、到着日と最後日のホテルクーポンを握りしめ、あとは現地で自力で...という約2週間の旅でした。

 そのときのこと、特に食べ物については割と鮮明に覚えています。中華とカレーのレストランがやたらに多い、大衆食堂では何を注文しても大量のフライドポテトがついてくる。それには大量のビネガーを振りかけて食する。とにかく紅茶を飲む。おかわり用の熱湯がついてきて3、4杯は飲める。そして、イギリス料理で一番おいしいのはイングリッシュ・ブレックファストと呼ばれる朝ごはんである...。(どんなものかは本を読んでください。朝から満腹。)

 この本では、著者がイギリス滞在中に経験した食に関するエピソードや感想がユーモラスに書かれています。私は「そうそう!」と相づちを打ったり、旅行のことを思い出しにやにやしたりしながら楽しく読みました。

 食べることは人が生きていく上で欠かせない行為なので、その国の人々の(あまり知られていない)真実の姿(おおげさか)がそこには表れるのではないでしょうか。イギリスって、クイーンズイングリッシュしゃべって、王室あって、ハイティーたしなんで...、おしゃれな国というイメージかもしませんね。でも、この本を読むと、いやいや、なかなか「おもしろい」人々だと分かります。

 今回、久しぶりに読み返してみましたが、もう一度イギリスに行きたくなりました。ああ、イングリッシュ・ブレックファストにフィッシュ・アンド・チップス、そして、ミルクティー!そんな日が一日も早く戻って来ることを願いつつ、みなさんにこの本を紹介します。お粗末様でした。

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