第78回卒業証書授与式 式辞

式辞

大野ヶ原に立つひばりに、春の訪れを感じる今日、京丹後市教育委員会 教育委員 野木様、PTA会長 中村様をはじめ、多くのご来賓と保護者の皆様のご臨席を賜り、第78回卒業証書授与式を挙行できますこと、高壇からではございますが厚くお礼申し上げます。誠にありがとうございます。
さて、ただいま、卒業証書を授与いたしました、本校第78期卒業生、87名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは、生徒会スローガン「桜梅桃李」のもと、自分自身を磨く中でそれぞれの個性という名の素晴らしい花を咲かせ、大宮中学校全体の強く、そしてしなやかな「つながり」を目指した学年でありました。
特に今年度、皆さんによって取り組まれた数々の新しい生徒会企画は、大宮中学校の新たな伝統を創造することになり、新生大宮中学校としての確かな歩みとしてこの大宮中学校を前へ前へと推し進めてくれました。
まずは、異年齢ブロックで取り組む体育祭での「ブロック・レクリエーション」。体育祭の取組期間だけではなく、終了後も全校生徒のつながりを深め続けていけるようにと考え、活動のスタートの取組として企画、実施をしました。体育祭当日はもとより、その後の学校生活の中で、大中生の「笑顔」と「まとまり」、そして「つながり」を深めていくきっかけとなる素晴らしい取組となりました。
そして、一昨日、大宮中学校で初めて取り組んだ「大中祭」。卒業生の生徒会本部を中心にすべてを企画した文字通りの「祭り」。○×クイズ、イントロゲーム、綱引きなど、一つ一つのクオリティの高い内容と、見事な進行で、全校生徒全員を笑顔にし、体いっぱいで楽しみを感じることのできた「一生忘れることのないひと時」でした。祭りのラストは、「ほっこりタイム」。この一年、お世話になった仲間に対して、全校の一人一人が「ありがとう」を伝えようと書いた内容を紹介し合うコーナーは、みなさんだけではなく、見ている我々教職員をも幸せで温かな気持ちへと誘ってくれました。
「あきらめない限り夢は続く」。「大中祭」のパネルの下に書かれていた卒業生からのメッセージ。祭りの最後に全校みんなで撮影した記念写真、校長室に飾り、みなさんの夢をいつまでも応援し続けたいと思っています。
この他にも、生徒会の生活委員会がこれまでの活動において深めてきた学びを、自分たちの行動として地域貢献へとつなげようと企画した「地域ゴミ拾い」。多くの部活動がこの活動に賛同し、100名を超える大中生が学校周辺や竹野川沿いなどの道路等で作業を行い、気持ちの良い時間を過ごすことができました。
卒業生の皆さんは、この3年間、さまざまな「つながり」を大切にし、その中でも「学習でつながること」については、特別なものとして、目標達成を目指してきました。先週の1週間、終わりのSHRの時間を活用した「教え合い学習」を企画・実施し、卒業生が1、2年生の教室を回って教科に関わるアドバイスや支援を行いました。また、グローバル人材の育成を目指す京丹後市の取組として行われた「オンライン留学」や「海外派遣」、「京丹後シーラボ」などに参加した卒業生が1年生の各クラスの英語の授業にスペシャルゲストとして参加し、自らの体験や経験をもとに英語の学習についての楽しさや勉強方法、また英語の学習に限らず、人としての生き方として、「ひとまずやってみること」「型にはめずに考えること」「失敗から飛躍すること」などについても伝え、1年生のこれからの学びへの興味関心と意欲を大いに喚起しました。
卒業生の皆さんの「つながり」を大切にした数々の素敵で素晴らしい、そして新たな取組は、企画・実践した卒業生の皆さんの「心」も含め、新生徒会が掲げるスローガン「新時代」を目指す1・2年生の心と体に引き継がれることだと確信しています。ありがとう。

「京都に生まれてよかった。」
この言葉は、平成24年度に大宮中学校を卒業され、現在、社会人チームに所属をし、今年の1月12日に京都市で行われた全国都道府県対抗女子駅伝大会で、京都府チームの主将、そして2大会連続でアンカー区間の区間賞を獲得し、京都府チームの優勝に貢献された、皆さんの先輩である川村 さんのレース後のインタビューでの言葉であります。
大宮中学校に在学中は陸上部に所属をされ、中長距離の選手として京都府中学校駅伝競走大会にも出場されました。現在は、今月30日に中国で開催される「アジアマラソン選手権大会」に日本代表選手として出場される予定であると聞いていますが、社会人として企業に所属し、競技を続けるということは、確実にその成果と結果が求められる厳しい環境での日々であると思います。しかし、川村さんはそのような生活の中でも、上手に時間を作り、お世話になった皆さんに元気な姿を見てもらおうと、「ふるさとの大宮町」に帰省をされていると聞いています。この「ふるさと大宮町」を愛しておられる気持ちが、レース後のあの「京都に生まれてよかった」という言葉につながっているのだろうと感じています。

本日、川村さんから皆さんにメッセージが届いていますので紹介します。
「学生時代の私は強い選手ではありませんでした。しかし、コツコツと毎日欠かさず練習を積み重ねることで、今、一つずつですが、自分の目標がかなえられるようになっています。『継続は力なり』ということを、私は身をもって、今、感じています。皆さんも自分が目指す『夢』『目標』をあきらめることなくがんばってください。ご卒業おめでとうございます。」

大宮中学校の目標、「ふるさとを愛し、夢や希望をもって未来を切り拓く」。皆さんのこれからの人生の中のさまざまな場面において大切にし、たとえ大宮町を離れたとしても、ふるさとを愛し、いつまでも心豊かに、たくましく生きていってほしいと思っています。

後になりましたが、保護者の皆様に一言、お祝いを申しあげます。本日は、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。教職員一同、心よりお祝い申しあげます。生徒たちが、「桜梅桃李」のもと、一人ひとりが自らの輝かしい花を咲かせることができたのも、保護者の皆様をはじめとする家族とのつながりが、生徒一人一人の心の奥底に心地よい安心感として存在していたからだと思っております。4月からも、これまでと同様に、生徒たちの「希望の光」として導いてやっていただければ幸いです。今後とも、よろしくお願いいたします。

結びに、本日ご臨席の皆様のご健勝とご多幸をご祈念申し上げますとともに、卒業生の輝かしい前途を祝福し、式辞とします。

令和7年3月14日  京丹後市立大宮中学校 校長 田辺 健二

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