「学習成果発表」と一致するもの

 12月17日(火)、2学期最後の「みらい探究Ⅰ」では、1年B組のみなさんが、久美浜町の「橋爪」「久美浜一区」「川上」という3地区について、中間発表を行いました。この日を迎えるまで、フィールドワークや地域住民の方々へのインタビューを通じて、それぞれの地区の課題を見つけ、解決策を考えてきたみなさん。まずはお疲れさまでした!

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 久美浜町といえば、縄文時代から続く長い歴史を持つ町。自然豊かな土地でありながら、時代ごとにさまざまな変化を乗り越えてきた地域です。その歴史や営みを調べるだけでも、一筋縄ではいかなかったのではないでしょうか?

 今回の中間発表では、それぞれの班がどのような課題に注目したのかを共有してくれました。「橋爪」班はまず久美浜学舎のお膝元でありながらあまりにその歴史が知られていない問題について、「久美浜一区」班は商業でも政庁でも町の中心として繁栄した歴史がやはり若い世代にあまり知られていない問題や、伝統の祭りの継承や、水上交通を支えた丸木船の魅力について、「川上」班は豊かな既存の自然環境などを活かした地域の魅力発信などについて、といったテーマに取り組んでいる様子がうかがえました。

 遊びに来たことなら何度もあるというような地域でも、実際にその地域の方々から直接話を聞く中で、新たな発見や気づきはたくさんあったのではないでしょうか。その中で見つけた「自分たちにできること」を考え抜くのは、決して簡単なことではありません。でも、みなさんの柔軟な発想と行動力なら、きっと素敵なアイデアが生まれるはずです。1月下旬の学習成果発表会「みらいのタネ」での発表に向けて、これから冬休みを挟みますが、ぜひチームで協力しながらアイデアをさらに深めてください。学校図書館も引き続き、資料提供や関係者の紹介など、みなさんの活動をサポートしながら、最終発表を楽しみにしています!

 久美浜町の未来を担う"みらいのタネ"を、力いっぱい育てていきましょう! 

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久美浜一区のフィールドワークの様子

 図書館振興財団主催の全国コンクール、「図書館を使った調べる学習コンクール」に、みらいクリエイト科3年生を中心に8名がエントリーしました。

 みらいクリエイト科では、全学年で図書館を使った探究学習を行っています。探究学習では、テーマ(課題)の設定が一番の難関といわれ、テーマ(課題)の設定に困っている生徒さんに、学校図書館では「あなたの困り事(あるいは興味関心)を、みんなの困り事(興味関心)」にしていくには、どうしたらいいと思う?とアドバイスしています。自分ひとりで抱えているだけでは難しい課題も、みんなが課題と思っていたら、解決する方に向かうのでは?というアドバイスです。「みんな」の考えを知り、探究の方向性を探るためには、考えの前提となる情報の収集、すなわち、「調べる学習」が必要です。みらいクリエイト科では、3年間の高校生活の集大成として卒業時にはマイテーマでの論文作成ができることを目指し、1年生の時から探究学習のこうした学びのステップを身に付けるための調べ学習を行っていますが、その折々で、全学年が学校図書館を利用しています。

 今回応募した8名の作品は、卒業論文に向けての自分の探究成果を、現段階でまとめることができた生徒の作品です。コンクール応募という目標に向けて一度ここで「まとめ」をしたことで、残り半年間の探究学習は、より焦点を明確に、より深い学びを追究するものとなるでしょう。

 1月の学習成果発表会が楽しみです。

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 他校普通科とくらべて「総合的な探究の時間」を2倍設定している久美浜学舎みらいクリエイト科の「みらい探究」。1学期から段階をふんで探究学習の手法を学んできましたが、いよいよ各自がテーマを決めて本格的な文献調査がスタートしました。1月の学習成果発表会「寄せN.A.B.E.」に向けて、学校図書館は生徒一人一人のテーマと学習の進行状況にあわせて、公共図書館とも協力しながら授業支援にあたっていきます。

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 11月16日には、学校図書館の資料やCiNii論文検索などによる1回目の資料探しで各自が決めた暫定的なテーマに基づき、京都府立図書館から80冊余の文献を取り寄せました。傍らに本や資料を積み上げて調べる生徒の様子は真剣そのもの。いまはざっくりと調べている生徒たちも、学習を進めていけばおのずと「自分が探究したいこと」の方向性がみえ、必要な資料も変わってきます。方向性が見えるタイミングも、一人一人ちがうのが探究学習。どんなペースで学んでいる人にも学校図書館は最後まで伴走していくので、遠慮なく相談してくださいね!

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 身の回りの探究学習の種を紹介する「くみはま探検」、第3回は、いま久美浜町でもっともアツイ!と評判の神谷太刀宮神社について紹介します。

 神谷太刀宮神社は、久美浜一区の氏神であり、由緒ある式内社の神谷神社と、「久美浜」の名前の由来のひとつとされる「国見の剣」にまつわる太刀宮神社、ふたつの神社が合祀された、ちょっと珍しい神社です。久美浜駅から歩いて数分の町中にありますが、その参道が江戸時代から変わらない道筋で残されていることも、現代ではたいへん珍しい神社です。さらに、古代に丹後・丹波・但馬一帯を治めた大豪族・丹波道主命を主祭神とする全国で唯一の神社とみられ、まさに丹後地方土着の歴史と文化を現代に伝える名所、旧跡でもあります。
 「太刀宮(たちのみや)」の略称で親しまれる神谷太刀宮神社の神霊「国見の剣」は奈良時代には久美浜湾に沈んだと伝えられていますが、江戸時代にはこれを惜しんだ峰山藩主の京極氏や、久美浜代官所の代々の代官が数々の刀剣を寄進し、明治大正時代に国指定史跡「函石浜遺跡包含地」から出土した刀剣もこの神社に納められたと伝わり、刀剣に縁ある神社です。さらには、境内にある古代の祭祀の跡と考えられている巨岩「磐座」が、いま空前の大ヒットで話題のアニメ『鬼滅の刃』(原作は吾峠呼世晴氏による漫画)の主人公・炭治郎が刀で岩を斬る場面に登場する岩に似ているとして、地元はもちろん、全国からファンが訪れる観光地として連日おおにぎわい、ネットニュースでもたびたび取り上げられるようになりました。地元では「磐座保存会」が発足するなど、地域の人の大切な聖地を守りつつ、地域活性化につながる観光振興を図っています。

 さて、そんな『鬼滅の刃』ブームで大注目!の神谷太刀宮神社の磐座ですが、地元の高校生達にとっては自然の息吹を間近に感じられる、以前から人気のパワースポットでした。一昨年度の久美浜高校1年生(現3年生)の授業「産業社会と人間」で行われた班別調べ学習では、この磐座と神谷太刀宮神社を中心に久美浜町内の見所を取材し、「まちあるきポスター」を作成した班が発表会で最優秀賞を受賞しました。


 この取組はこの年度からスタートした本校の学習成果発表会「寄せN.A.B.E.」でも学年を代表して発表され、高く評価されました。
 久美浜高校・丹後緑風高校久美浜学舎の最大の学びの祭典「寄せN.A.B.E.」は、今年度も2021年1月20日(水)午後に実施予定で、いま、各学年や教科でたくさんの生徒がここでの発表に向けて頑張っているところです。

(第1回「寄せN.A.B.E.」の様子を伝える『久美高だより平成30年度10号』)

 久美浜一区の高校生には身近な磐座、他地域に住んでいると馴染みがなかったかもしれませんが、今回の『鬼滅の刃』ブームをきっかけに訪れた生徒も多いことでしょう。岩の裂け目だけでなく、磐座、神社や境内に伝わる歴史の息吹にも目を向けてみてください。
 神谷太刀宮神社について調べたことは、オンライン百科事典Wikipediaに項目「神谷太刀宮神社-Wikipedia」を作成しています。スマートフォンでも読むことができるので、これから磐座を見に行くという人は、現地で参考にしてみてください。このWikipedia記事の典拠である図書資料は、すべて丹後緑風高校久美浜学舎の学校図書館にあるので、もっと詳しく知りたい人は、学校図書館にも行ってみましょう。
 ちなみに、『鬼滅の刃』の原作漫画は、今年の7月に発行した久美浜高校及び丹後緑風高校久美浜学舎の「先生のオススメ本」でも紹介されており、この秋冬のブームを受けた教職員有志の厚意により、学校図書館で読むことができます! 気になっているけどよく知らない、という人は、ぜひ読みに来てください。

今回作成したWikipedia記事はこちら「神谷太刀宮神社-Wikipedia(初版)」(*現在の版とは内容が異なる可能性があります。)
参考文献(一部)
・『京都府熊野郡誌(全)』京都府熊野郡役所、1923年
・『京都大事典 府域編』淡交社、1994年
・『京都の社寺建築(与謝・丹後編)』京都府文化財保護基金、1984年
・『久美浜大事典』特定非営利活動法人わくわくする久美浜をつくる会、2015年
読売新聞オンライン2020/12/06配信「まるで「鬼滅」炭治郎が切った岩...「なりきれる」全国からファン 」