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南山城の歴史と文化

 
8 南山城のなりわい  
 南山城の村落では、稲作を基本にしながら果樹栽培などの商品作物を組合わせた集約的な農業を営み、都市市場に出荷してきました。山地が多く、水田の少ない南山城では、お茶や綿など集約的な商品作物栽培等で生計をたてるのが生業の基本でした。お茶に関しては、山城地域は古くから全国に知られた産地ですが、近代には輸出が盛んになり、製茶の機械化が進みました。
 この生業のあり方を可能にしたのは、京都・大阪・奈良という都市の消費市場に比較的近いという地理的条件が大きいといえます。さらに、都市近郊とはいえない木津川上流域まで都市市場を念頭においた生業が成り立ったのは、笠置がら伏見まで1日で結んだ木津川水運の役割が大きかったのです。