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体育科における評価のポイント

―― 運動に親しみ 体力の向上を図る 指導と評価の工夫  ――

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体育科の理論編へ   1 体育科の目標
  2 体育科で育成する資質・能力
  3 評価の観点
体育科の実践編へ   1 授業の改善に向けて
  2 指導計画・評価計画の作成
  3 実践を通して明らかになったこと
体育科の資料編へ   1 評価計画作成の参考に
  2 ワークシート例
  3 その他
  4 参考文献








理論編


1 体育科の目標


(1) 教科としての目標

 心と体を一体としてとらえ、適切な運動の経験と健康・安全についての理解を通して、運動に親しむ資質や能力を育てるとともに、健康の保持増進と体力の向上を図り、楽しく明るい生活を営む態度を育てる。
 この目標は、各部分の目標が相互に密接な関連をもちつつ、体育科の究極的な目標である「楽しく明るい生活を営む態度を育てる」ことを目指すものです。



(2) 現状と課題

《運動に興味をもち活発に運動をする者とそうでない者に二極化》  

《生活習慣の乱れやストレス及び不安感が高まっている》
→ 心と体をより一体としてとらえ、運動領域と保健領域を一層関連させて指導することが重要です。



(3) 具体的目標

 ☆ 運動に親しむ資質や能力の育成     
 ☆ 健康の保持増進
 ☆ 体力の向上


(4) これからの体育学習は

教師の指導の基、児童の自発的・自主的活動を基調として授業に取り組ませます。
教師は、児童が学習によってどう変容し進歩したかを把握し、学習指導の確認や改善に利用していくというサイクルを確立させ、児童自身に学習の成果や改善、努力すべき問題点を理解させます。
したがって、学習活動の中で、児童の行う自己評価・相互評価の活動を積極的に取 り入れる必要があります。


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2 体育科で育成する資質・能力

◎ 学年目標の構成





◎ 各学年の目標

【第1学年及び第2学年の目標】
(1) 基本の運動及びゲームを簡単なきまりや活動を工夫して楽しくできるようにするとともに、体力を養う。
(2) だれとでも仲よくし、健康・安全に留意して運動をする態度を育てる。
【第3学年及び第4学年の目標】
(1) 各種の運動の課題をもち、活動を工夫して運動を楽しくできるようにするとともに、その特性に応じた技能を身に付け、体力を養う。
(2) 協力、公正などの態度を育てるとともに、健康・安全に留意して最後まで努力する態度を育てる。
(3) 健康な生活及び体の発育・発達について理解できるようにし、身近な生活において健康で安全な生活を営む資質や能力を育てる。
【第5学年及び第6学年の目標】
(1) 各種の運動の課題をもち、活動を工夫して計画的に行うことによって、その運動の楽しさや喜びを味わうことができるようにするとともに、その特性に応じた技能を身に付け、体の調子を整え、体力を高める。
(2) 協力、公正などの態度を育てるとともに、健康・安全に留意し、自己の最善を尽くして運動をする態度を育てる。
(3) けがの防止、心の健康及び病気の予防について理解できるようにし、健康で安全な生活を営む資質や能力を育てる。




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3 評価の観点


(1) 指導と評価の一体化

 平成12年12月の教育課程審議会からの答申では、「学校の教育活動は、計画・実践・評価という一連の活動が繰り返されながら、児童生徒のよりよい成長を目指した指導が展開されている」と述べられています。単元指導終了時に評価を行うのではなく、1時間ごとの児童の実現状況を的確に評価し、その評価結果を指導に生かすことが大切です。評価の結果によって後の指導を改善し、さらに指導の成果を再度評価するという、指導に生かす評価を充実させること(指導と評価の一体化)で、指導の質を高めることが一層重要です。


(2) 観点別学習状況の評価

 評価については、単に技能や知識の量のみをとらえるのではなく、基礎的基本的な内容を確実に身に付け、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」がはぐくまれているかどうかによって評価する必要があります。実際の評価は、このことを踏まえ適切な評価方法の工夫が必要です。そのためには、観点別学習状況の評価を基本とした評価方法を発展させ、目標に照らしてその実現状況を見る評価が一層重視されるとともに、児童一人一人のよい点や可能性、進歩の状況など、個人の特徴として評価する個人内評価の工夫が必要となります。


(3) 体育科における
   評価の観点及びその趣旨

運動や健康・安全への
関心・意欲・態度
運動や健康・安全についての
思考・判断
運動の技能 健康・安全についての
知識・理解
 進んで楽しく運動をしようとする。また、身近な生活における健康・安全に関心をもち、進んで学習に取り組もうとする。
▼関連
 運動の課題の解決を目指して、活動の仕方を考え、工夫している。また、身近な生活における健康や安全について、課題の解決を目指して考え、判断している。
▼関連 
 運動の楽しさや喜びを味わうために必要な動きや技能を身に付けている。
▼関連
 身近な生活における健康・安全に関して、課題の解決に役立つ基礎的な事項を理解し、知識を身に付けている。
▼関連





(4) 学年における
   評価の観点の趣旨

   − (例)第5学年及び第6学年 −

ア〈運動領域〉
運動への関心・意欲・態度 運動についての思考・判断 運 動 の 技 能
第 5・6学年  進んで運動の楽しさや喜びを求めるとともに、協力、公正などの態度を身に付け、健康・安全に留意して運動をしようとする。  運動の特性に応じた自己の課題の解決を目指して、活動の仕方を考え、工夫している。  自己の能力に応じた課題を理解して、運動を行うとともに、運動の特性に応じた技能を身に付けている。


イ〈保健領域〉
健康・安全への 関心・意欲・態度 健康・安全についての
思考・判断
健康・安全についての知識・理解
第5学年  心の健康やけがの防止について関心をもち、自ら健康で安全な生活を実践するため、進んで学習に取り組もうとする。  心の健康やけがの防止について、課題の解決を目指して考え、判断している。  心の健康及びけがの原因とその防止について、課題の解決に役立つ基礎的な事項を理解し、知識を身に付けている。
第6学年  病気の予防について関心をもち、自ら健康的な生活を実践するため、進んで学習に取り組もうとする。  病気の予防について、課題の解決を目指して考え、判断している。  健康の保持増進に必要な生活行動及び病気の起こり方とその予防について、課題の解決に役立つ基礎的な事項を理解し、知識を身に付けている。





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