選択結果を前向きに受け止めて

アメリカのある大学での研究によると、なんと人は一日に平均して約3万5千回の「選択」を無意識にしているそうです。

そんなバカな!と思ってしまいますが、起床時にもうちょっとだけ寝ようか起きようか、どのおかずから先に食べようか、今日の靴下はどれを履いていこうか、スマホでどの動画を見ようか、宿題をしようかサボろうか等々、友人との数分の会話の中での言葉選びや内容も含めると、もしかしたら無意識の中で本当にそれだけのとっさの選択をしていて、確かに私たちは押し寄せる「選択」の波の中で生きているのかもしれません。

一方で、そんな無意識の選択とは異なりますが、誰もが人生の中でのいくつかの岐路で大切な選択をしています。まさに、先日3年生(卒業生)が進学先としてそれぞれの志望校を選択し、受験したことがそれに当てはまります。

本校でも、見事第一志望校に合格し喜ぶ生徒がいる一方、第一志望校合格が叶わず、残念ながら進学先が第二志望校になった生徒もいます。

ただ、長い目で見れば、選択の結果が正しいのか正しくないのかは結局のところ誰にも分かりません。例えば第一志望校受験に失敗したとします。その瞬間だけ見れば、当然それは本人にとって間違いなく“残念な結果”に違いありません。

けれど本命ではない第二志望校で運命の出会いがあるかもしれないし、将来の自身の職業に繋がる学びがあるかもしれません。また、おぼろげな夢が確かな目標に変わる瞬間が訪れるかもしれません。「人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)」ということわざもあるし、人が生きていく中では“災い転じて福となす”ことはいくらでもあると思います。

だから、選択の結果が一見失敗と思われるものでも、それをベストな結果として受け入れ、気持ちを切り替えて前向きに進むことが大切だと思います(とは言うものの直後にそう思うことは簡単ではありませんが)。

そして、何かを選択する際の自分なりのしっかりとした基準、例えば「社会のため」「自分のため」「正直・正義」「優しさ・良心」「生きがい・幸せ」などブレない軸を心の中に持っておくことも一つの方法かもしれません。

明日からはしばらく次年度に向けての充電期間となります。一年間を振り返り、善悪の正しい判断をしつつ、気持ち新たにスタートが切れるように準備を進めておいてください。

後になりましたが、今年度一年間、保護者や地域の皆様には温かいご支援、ご協力をいただき、誠にありがとうございました。今年度の反省を生かして、来年度も保護者、地域の皆様と一緒に教職員一同、地域とともにある学校づくりを充実させるべく、気持ち新たに頑張りますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

校 長   世木 佳文

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