脳を鍛えるためには

以前、どこかの大学教授が「現代人の脳はさぼっている」というようなことを話されていました。

情けない話になりますが、最近メモを取ろうとする時に思い出そうとしても漢字が出てこないことが多々あります。常にパソコンでの文章作成により漢字を書く機会が減少したからに違いありません。読めるけれども書けない漢字ばかりが増えています。

スマホの利用によって、数字を覚える力も衰えてしまった感があります。昔は他人の電話番号ぐらい少しは覚えていたものですが、これも、脳が「これで数字も覚えなくてよくなった。」と判断しているのかもしれません。

もっと言うと、車やスマホのナビシステムです。これにより私たちの生活はびっくりするほど快適になりました。が、これも同時に脳の仕事が奪われ、私たちから「地図を見ながら目的地を探す」力が徐々に失われている気がします。

このように、快適さ・便利さを追求するいわゆる“超スマート社会”が今後も進展するのは間違いないだろうし、その進展が悪いと言うつもりはもちろんありません。

ただし、意識的に運動して鍛えないと筋力が衰えていくのと同じで、先ほどの件からも分かるように、自分自身このままでは脳も意識して鍛えないと衰えていくに違いないとひどく不安になっています。

では、脳を鍛えるのに効果的なこととは何か。これもどこかで聞いたことですが、一方的に入ってくる視覚情報などを浴びることの正反対で、入ってくる情報を受け身ではなく「想像力を働かせ」ながら考えイメージを膨らますことらしいです。そういう意味では、映像のないラジオ、さらには情報が活字のみの読書が効果的なのかもしれません。

語彙(ごい)力(知っている言葉の多さ、言葉を適切に使いこなす力)、集中力、読解力、表現力、発信力、そして学力、あげたらキリがないくらい読書では力がつくそうです。

これからの社会では、知識量よりもその知識の活用能力、人とのコミュニケーション能力が求められると言われています。そういう意味では、読書にいそしみ表現力、発信力を鍛えていくことが求められるのではないかと思います。初心に戻って、スマホやゲームに費やす時間のほんの少しを割いて、“読書”の時間にしてみてはどうでしょうか。

後になりましたが、保護者の皆様、今年度も締めくくりの時期となりました。先日、3年生の私立入試・公立前期選抜が終わり、いよいよ公立中期選抜が近づいてきました。

受験を控える生徒は、不安と緊張感を持って過ごし、受験を終えた生徒も、受験を控える生徒を気遣いながら傍で支えています。1・2年生も、その3年生のひたむきな姿勢と雰囲気を感じつつ、落ち着きある学校生活を送っています。我々も、そのような生徒達の頑張りを全力でサポートして参りますので、最後までご理解とご支援をお願い致します。

校 長   世木 佳文

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