当たり前ではない日常

謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は、本校教育活動に対する御理解、御支援を賜りましたこと、感謝申し上げます。

新年に新たな希望を抱いてスタートしたその矢先、その思いを吹き飛ばす容赦ない地震が大きな災害をもたらしました。この災害によりお亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

連日の報道を見て、住民の方々の打ちひしがれた表情、能登の家屋や風景の変わり果てた姿に心が痛みます。輪島市の夜間に燃え広がる火災映像を見て、29年前の阪神・淡路大震災で早朝から神戸の街が燃え、高速道路の橋脚が倒壊している情景を思い出しました。海岸に打ち寄せる津波の映像や、テレビから聞こえてくる「命を守るため一刻も早く逃げてください」というアナウンサーの声に、13年前の東日本大震災での凄まじい津波が至る所で沿岸の街をことごとく飲み込み、打ち上げられた大型漁船や骨組みだけの無残な建物、瓦礫の山の姿を思い出しました。

先週からは、とりわけ被害が大きく小中学校の再開が見通せない各市町からの中学生の集団避難も始まりました。遠く離れた地で2カ月程度の共同生活を送る見通しとのことです。今も余震が続き、ライフライン(水や電気)復旧の見通しが厳しい中で、その地に残って引き続き生活しなければならない保護者の想い、一方で親元を離れて生活する中学生の心細さや寂しさといった心情、とりわけ受験を控える中学三年生の不安であろう想いをそれぞれ考えると、胸が締めつけられます。

そんな中、我々にできることは限られていますが、せめて災害に会われた方々の“心の痛みを分かる人”にはなりたいし、又そうならなければと思います。始業式に生徒たちと顔を合わせることができたこと、挨拶を交わすことができたことを喜び、一方でこの日常が当たり前でないことを再確認し、感謝しながら一日一日を大切に過ごしていきたいし、又子どもたちにもその思いを伝えていきたいと思います。 

保護者の皆様、本年もどうぞ宜しくお願い致します。新年という節目を大切にして、我々教職員も心機一転しっかりと目標・決意を定めて、気持ち新たに生徒たちの頑張りを全力でサポートして参りたいと考えておりますので、引き続き御理解と御支援を宜しくお願い致します。

校長 世木 佳文

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