令和4年度2月 学校長挨拶

人(他人)を幸せにするために

先日、本校を卒業した社会人三名を招いて講演会を実施しました。京都市・大阪市・東京とそれぞれ異なる場所で働いている三名の話は、それぞれ今まで30年間生きてきた経験をもとにした心に響く深い内容でした。

そして、その中の一人、起業家である金本氏は、どんな夢を持っているのかを生徒に問いかけ、夢の正体は何なのか、自分自身の本心を心に問いかける必要性を伝えていただきました。「日本の国を良くするために働いている」とおっしゃっていた金本氏の話を聴いていて、私は以前聴いたとある方の講演内容を思い出していました。

「人は何のために働くのか?」という問いに対して、その方は講演で「人を幸せにするため」とおっしゃっていました。

自分のため、生活のためだけに働いていると楽をしたくなり、その結果「いかに楽をしてお金をもらうかばかりを考えるようになってしまう」ということでした。

逆に、「人を幸せにすることを考えながら働くと、信用も売り上げも、ものすごい勢いで増えていく」とのことでした。

その方曰く、人間の二大欲求には「安楽の欲求」と「充実の欲求」という対極のものがあるそうです。「安楽の欲求」から生まれる姿勢は、「責任を負うような事は避けたい」「面倒な事はしたくない」「ハードルの高い事は嫌」という、楽な方に流れる生き方につながります。そういう姿勢で仕事をしていると、信用をなくし、会社の売り上げや給料も下がり、結局は自分が楽に生きていけなくなるとのことでした。

一方、「充実の欲求」から生まれる姿勢は、「自分が責任をもってやり切る」「面倒な事から目を背けない」「色んなことに挑戦する」という充実した生き方につながり、そういう姿勢で仕事をしていると、信用が増し、利益に反映され、結果的には、充実した生活から幸せに結びつくとのことでした。

さらに、「ただ無意識にこなしているだけだと、本気でやらなくなる」から、何事も意識して取り組むことが大切ともおっしゃっていました。

その意味はつまり、我々は、常に何か明確な夢や目標を持っていることが必要なのだということで、それを伝えて頂いていたのかもしれません。

後になりましたが、保護者の皆様、今年度も締めくくりの時期となりました。先日、3年生の私立入試・公立前期選抜が終わり、いよいよ公立中期選抜が近づいてきました。受験を控える生徒は、不安と緊張感を持って過ごし、受験を終えた生徒も、受験を控える生徒を気遣いながら傍で支えています。1・2年生も、その3年生のひたむきな姿勢と雰囲気を感じながら、落ち着きある学校生活を送っています。我々も、そのような生徒達の頑張りを全力でサポートして参りますので、最後までご理解とご支援を宜しくお願い致します。

校 長   世木 佳文

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