令和4年度12月 学校長挨拶

すべての出会いは「偶然」じゃないのかも

日本国中が大きく熱狂したサッカーのワールドカップが先日幕を閉じました。日本チームも、目標のベスト8入りは叶わなかったですが、監督を中心に最大限の準備と緻密な計画の下で勝負に挑み、ヨーロッパの強国を次々と退けました。 

勝利を信じて最後まであきらめない日本チームの姿を見て、メジャーリーガーの大谷選手が高校の恩師から教えられ、大切にしている言葉「先入観は可能を不可能にする」を思い出しました。

また、少し古いですが、ほぼ無名選手だったイチロー選手も、今は亡き仰木監督にその素質を見い出され、世界的に名を残すメジャーリーガーになりました。こうしてみると、人との出会いは偶然でありながら、偶然ではない感じがします。

「偶然」という漢字を分解すると、「人」+「禺」(会うという意味)+「然」(必然という意味)になります。つまり偶然は、「人が出会うのは必然」と書くのだそうです。みんながきっと「偶然」だと思っている様々な出来事も、そして殿田中学校での皆との出会いも、すべて「必然」だったのかもしれません。

私は社会科教員なので、歴史小説はそれなりに読んできましたが、他はそれほど好きではなく、恥ずかしながら読書習慣はほとんどありませんでした。

ところが、50歳になった頃、ひょんなことからある本を後輩から勧められると、後はあっという間にその本の著者に魅せられ、今ではその著者と繋がりのある方々の本まで次から次へと読み続けるほどになりました。遅まきながらですが、年齢に関わらず読書によって心が揺さぶられること、生き方に影響を受けることを知り、よくぞその本を紹介してくれたと今でも感謝しています。

このように、何かの機会に自身の生き方に影響を与える人やモノ、言葉に出会うことがあります。だから、これからの出会いを大切にしてほしいと思います。すべての出会いは、「偶然」ではなく、必ず意味のある「必然」だと思うから。

後になりましたが、保護者・地域の皆様には日頃より格別のご理解とご支援をいただいておりますことに改めてお礼申し上げます。

明日から冬休みに入りますが、一段と寒さが増し、ここにきて新型コロナウイルスやインフルエンザの同時流行が懸念されるところです。引き続き健康維持にご家庭でもご配慮をお願い致します。また、中学生という年頃は、コミュニケーションをとりづらい、思春期の多感な時期でもあります。ぜひ、子どもたちの話に耳を傾けていただき、保護者の皆様の経験も交えながらゆっくりお話しをして頂く時間になればなと思います。よいお年をお迎えください。                            
                                    校 長  世木 佳文

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