令和4年度10月 学校長挨拶

「話し方」一つで人生を大きく左右する

文化祭の全校合唱での皆の歌声や、口丹駅伝大会・口丹各種新人大会等での各選手のひたむきな姿に、本校生徒の底力と無限の可能性を感じました。たった100人足らずの本校生徒が、大規模校に引けを取らない、聴いている人に感動を与える歌声、応援している人に勇気を与える走りやラリー等を見せてくれたことに、感極まりました。“山椒は小粒でもぴりりと辛い”じゃないですが、小さな学校でも、強い思いと地道な努力があれば、願いは叶うのだなと再認識する機会となりました。

さて、今日は「話し方」について少し私の考えを述べてみたいと思います。私は立場上、時々人前で挨拶をすることがありますが、挨拶終了後に、「あの話し方は良くなかったな」「表情が硬かっただろうな」と反省することばかりです。

私は「話し方」というものを学校で習った記憶がほとんどなくて、大切なコミュニケーションツールである「話し方」の基本を、実はあまり分かっていないのかもしれません。

でも、その「話し方」一つで人生を大きく左右する場面に出くわすとすればどうでしょう。例えば、受験での面接とか、大切な人へ思いを伝える時とか・・・。そんな大切な場面で、どんな「話し方」をするかによって成果に違いが生じるとすれば、「大切な日」のために、日頃から正しい「話し方」を意識しておいた方がいいのではと思います。

そして、もう一つ大切なことがあります。それは「聴き方」と「雰囲気づくり」です。あえて不十分な私自身を棚に上げて言いますが、「聴く方」がいい加減な態度では、「話す方」もしゃべりにくくなるし、また、重たい雰囲気の中では、どんなに面白い話も面白く伝わりません。これは、面接も思いを伝える時も、そして授業でも同じだと思います。

「話す方」は全員の方を見てしゃべり、「聴く方」は話す方に姿勢を向けて頷きながら聴くことができれば、心地よい空気感が生まれるのではと思います。

先週から3年生は進路実現に向けて校長面談を始めました。2年生でも、職業体験学習に向けて言葉遣いや電話応答についての練習を進めています。近年は、学力試験に加えて面接を取り入れる高校が増え、またその先には、就職の時に学力試験よりも面接を重視する企業が増えています。そして、近年「企業が求める人材に必要な能力」の常に上位にあるのが「コミュニケーション能力」です。

このコミュニケーション能力は、誰かから手取り足取り教わるものではなく、日々の人との関わりの中で時間をかけて身につくものです。口角をあげて、爽やかな自然の笑顔の練習をしながら、人と人とのつながりの大切さを意識して、日々過ごしていきたいものです。

あとになりましたが、保護者の皆様、先日は親子道徳(1年・3年)に多数お越しいただき、ありがとうございました。今年度は学年別での開催となりましたが、子どもたちの道徳性を高める目的で、各学年でそれぞれ趣向を凝らした内容を取り入れています。ご家庭でも会話のきっかけとしていただければと思います。

また、来週にはPTA親子人権講演会を開催します。昨今課題となっているSNS利用に関する内容ですので、お忙しいとは存じますが、誘い合ってお越しいただければと思います。

                                    校長  世木 佳文

タイトルとURLをコピーしました