令和4年度9月 学校長挨拶

継続は本当に力なり

この間、教室を覗いていた時、ふとロッカーの中に立てかけてあったファイルを見て、かつて4センチほどの厚さになっていた生徒のファイルを思い出しました。

出来、不出来は別にして、一日1枚のプリントと解答・解説の書かれた二種類のプリントが積み重なったことで、この厚さになったのです。どちらかと言うと勉強が苦手な生徒でしたが、それでも自らの進路実現のために、用意されたプリントを卒業まで黙々と取り組み続けていました。やってきたことが、「見える化」された形ですが、その「厚み」はきっとその生徒の自信につながっていたと思います。

ある方が講演会で、あの有名なイチロー(元)選手のことを「イチローは天才でした。継続することの天才でした」と紹介されました。私たちには、「今日は雨だから」とか「大切な用事があるから」とか「ちょっと嫌なことがあったから」など、様々な理由をつけて決めたことを継続できないことが度々あります。しかしイチロー(元)選手は、一度決めたことを一日たりとも欠かさなかったというのです。それがメジャーリーグで大記録を打ち立てるまでに至った理由ではないかとおっしゃっていました。

さらに「人生や仕事・勉強というものは、毎日、薄紙を一枚一枚重ねていくような地味な作業の積み重ねが大切です」と話されたのですが、その時、私は「1.1」と「0.9」の話を思い出しました。聞いたことのある話かもしれませんが、ちょっと紹介します。

普段の生活を「1」とします。

ほんの少しだけ努力した日を「1.1」とし、ほんの少しだけサボってしまった日を「0.9」とします。「1.1」と「0.9」ですから、その差はわずか「0.2」にすぎません。しかし、「ほんの少しの努力」を60日(2か月)続けると、その差はどうなるか。

毎日、前の日より少しだけ努力したとします。「前の日より1.1を60日」ですから、これは60乗で表すことができます(1年生は分かるかな?)。つまり、1.1×1.1×1.1×・・・と60回掛けていくので、答えは「304」となります。

一方、「ほんの少しサボってしまった日」が60日継続の場合は「0.9」の60乗で、0.9×0.9×0.9×・・・で、答えは「0.002」となり、なんとその差は、15万倍になります。

ほんの少しの努力でも、日々積み重ねることで大きな成果が待っていることを信じて、学習に、部活動に、さらには毎日朝夕黙々と走り込んでいる駅伝練習に、ぜひ「0.1」の努力を継続して、これからも精一杯励んでください。 “ 継続は本当に力なり ”です。

あとになりましたが、保護者の皆様、先日は体育祭に多数お越し頂き、ありがとうございました。当日の笑顔の表情や一生懸命な姿勢はもちろんのこと、当日までの各ブロック内での生徒たちの取組の様子を見て、改めて学校行事の大切さを再確認いたしました。

週末には文化祭を開催します。合唱の取組は3年ぶりで十分な発表とはならないかもしれませんが、一生懸命に取り組んできた生徒たちの頑張りをご覧いただければと思います。お忙しいとは存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。

                                   校長  世木 佳文

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