令和4年度8月 学校長挨拶

生徒会の取組で学校活性化をめざす

この夏は、6月下旬から続く猛暑で気象庁も異常気象を認めるような見解を示しましたが、まさに私たちも屋外に出れば身の危険を感じるような日差しを体感し、行動を躊躇することが多くありました。また、それに加えて第7波による急激な感染者数増加に、ため息をつきながらその猛威に翻弄される厳しい夏でした。

一方で、2年ぶりに行動制限のない夏休みとなり、学校でもしばらく途絶えていた事や日頃できなかった様々な取組を進めることができ、とても嬉しく感じています。

8月初旬、生徒有志約20名が校舎内の壁のペンキ塗りに参加してくれました。“自分たちが使う校舎を自らの手で美しくしよう”との呼びかけ(生徒会コミュニティ活動)に応じて、体操服にペンキが付くことも厭わず、がむしゃらに一階から三階までの壁や手すりを塗り替えました。おかげで薄暗かった階段が明るくなりましたが、何より嬉しかったことは、自分たちの意思で行動を起こしてくれたことです。

8月中旬には、中世木地区の伝統行事“牧山の松明行事”に向けての草刈りを手伝うという取組に参加した生徒もいました。残念ながら天候不良のため、牧山の松明や寺(普門院)の歴史を聞いたあと、周辺地域のフィールドワークに変更となりましたが、いい経験をさせてもらいました。

今年度の本校生徒会の取組の目玉として、「殿中行動宣言」(3月生徒会作成)の具現化があります。一学期には、その一つとして「自分から」「笑顔で会釈して」「相手の目を見て」「立ち止まってお辞儀して」をキーワードに挨拶にこだわる取組を進めました。

また、そこから、地域の皆さんに元気を届けたいとの思いがうまれ、生徒会からの呼びかけで、有志約30名による早朝の挨拶運動を数回実施しました。皆さんからの会釈や反応、電車の汽笛に「嬉しかった」「やって良かった」と喜ぶ生徒の姿がありました。

この取組を通じて、私は次の話を思い浮かべていました。

それは、東京ディズニーランド(TDL)の精神に関することで、TDLにとっては「便利=サービス」ではなくて、コミュニケーションを売る場所ゆえ、入場券もドリンクも「手から手へ」「スマイルからスマイルへ」が基本で、かつては自動販売機が一台もなかった(現在は設置)そうです。また、TDLオープン時のスタッフのマニュアルでは、挨拶の「いらっしゃいませ」が「こんにちは」に代わり、「目を見て」と「笑顔で」が加わったそうです。本校生徒会の取組も、コミュニケーションを大切にするその同じ精神が伝統として一緒に根付いていけばいいなと願っています。

「殿中行動宣言」には、「ふるさとの良いところを見つけ、大切にします」「地域の方や仲間に感謝の気持ちを持って接します」というフレーズもあります。地域の方々や保護者の皆様との繋がりの場を探りながら、着実に一歩ずつ取組を進めていきたいと考えておりますので、引き続きご理解とご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。
                                校長 世木 佳文

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