令和3年度8月 学校長挨拶

相手を敬う気持ちで有意義な2学期を

この夏は、前半は猛暑、中盤は時季外れの大雨と長雨、度重なる土砂災害など異常気象を意識せざるを得ない状況、それに加えて日々増加するコロナ感染者数に驚きながら、その猛威に翻弄される厳しい夏でした。

一方、その間にオリンピックとパラリンピック東京大会が開催されました。世間では開催について賛否両論がありましたが、それでもこの日に向けて必死になって努力を重ねてきた選手達の本番での気持ちのこもった姿を見て、心を大きく動かされた人は多かったのではないでしょうか。

その中で、男子柔道73kg級でオリンピック2連覇を達成した大野奨平選手のことを少し紹介します。他の多くの選手も金メダルを獲得したのに、なぜ大野選手にクローズアップしたかというと、試合に勝った後の大野選手の姿に感動したからです。ガッツポーズや大声を出すことなく喜びの感情を抑え、敗者である相手の悔しい気持ちを配慮して、普段と変わらない礼儀作法で冷静に礼を終えて畳を降りていく。これこそ相手に敬意を表す、日本古来の武道の精神だと思ったからです。もちろん、今まで血の滲むような練習を繰り返してきた選手達の、試合後に思わず出るガッツポーズや感極まる大声を否定するつもりはありません。ただ、大野選手のように相手を敬う気持ちは、誰であってもどんな場面であっても心のどこかに持ち続けておくことが大切だなと学ぶことができました。

この夏休み、皆さんは各種大会・コンクールに出場し、日頃の練習の成果を発揮することができました。その間、大会・コンクール関係者の方々が、猛暑の中、いかに徹底した感染防止対策に力を注がれていたかを、皆さんは自分の目でしっかり見ていたはずです。皆さんのため、力を発揮する場を何とか提供し、最後まで無事に終えてもらいたいとの思いがあったはずです。コロナ感染も含めて、相手の立場に立って、くれぐれも、心の面で辛い思いをする人が出ないように正しい判断ができ、そういう思いに気づく、相手の気持ちに応える、相手を敬う気持ちを持てる人であって欲しいと思います。

コロナ感染が予断を許さない状況の中、緊急事態宣言の再発出となり、先行きが不透明な中、様々な学校行事やPTA行事にも影響が出ており、保護者の皆様・地域の皆様には色々とご心配・ご迷惑をおかけしております。感染防止対策をとりながら、このような中でもどんなことができるのかを模索しながら、保護者の皆様・地域の皆様とも連携して、生徒達にとって少しでも有意義な学校生活が送れるように進めて参りたいと思います。今後ともご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

                                     校長  世木 佳文

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