令和3年度6月 学校長挨拶

昨日までの自分を越える


 「躍進~殿中の進化~」5月末開催の生徒会総会で承認された今年度の生徒会スローガンです。ブロック活動をはじめ、昨年度新たな一歩を踏み出した殿中の勢いを止めることなく、進化していきたいという思いが込められています。各学級においてもそれぞれ学級目標が決まり、その目標達成に向けて学級づくりが進められています。

また、中間テスト明けから、部活動とは別に陸上練習も始まりました。昨年度はこの時期の陸上大会がすべて中止となり、その影響を受けて皆さんの今年の陸上練習への参加は少なくなるのではないか、とりわけ上級生の頑張る姿、見本となる先輩の背中を見る機会を失った2年生、さらにはその2年生から引き継がれる1年生の参加もいないのではと懸念していました。

しかし、最終的には29名の生徒の参加があり、毎日部活動後の限られた時間ではありましたが時間を有効に使い、先日6月19日(土)の口丹陸上大会に向けて、懸命に練習に励むことができました。必ずしも陸上が得意でないのにトレーニングの一環として練習に打ち込む姿、自分の可能性を広げるために希望する種目とは異なる種目にチャレンジする姿、練習終了時には自分の練習種目とは異なる競技道具を率先して片付ける微笑ましい姿もありました。練習できることに感謝し、1秒1cmにこだわり、共に切磋琢磨できることを喜び、互いの練習をサポートし、記録更新を喜び合う姿もありました。そして、何より嬉しかったのは、この陸上練習に参加しようとする多くの皆さんの意気込み・意欲・姿勢でした。

「自分なんか勝てるはずない」「負けるのは恥ずかしい」とついつい思ってしまい、前に一歩進む勇気を持つことができない、チャレンジすることから逃げてしまうことが多いものですが、多くの皆さんはその思いをはねのけ、練習参加の意思表示をしました。

陸上に限らず、学習においても部活動においても、私たちはついつい人と比べてしまうものです。けれど、人は生きてきた日数も環境も経験してきたことも異なります。身体能力も記憶力も容姿も何もかも異なります。だから比べてばかりいると、前に一歩進む勇気を持てないばかりか、気持ちもしんどくなってしまうものです。

唯一比べることに意味があるのは、「昨日までの自分」です。よく使われる言葉がありますね。

―「他人と過去は変えることはできない 自分と未来は変えることができる」―と。

少しずつでもいいので、昨日よりも成長できるように、一日一日を大切に過ごして欲しいと願っています。 

保護者の皆様、日頃より学校と同じ歩調で子どもたちと接して頂いておりますこと、御礼申し上げます。子どもたちは成長の過程で失敗や間違った行為を行うことがありますが、それももちろん成長の形の一つです。私たち教職員も、間違った行為そのものを叱るだけでなく、今後どうすればよいか一緒に考え、失敗したこと・間違った行為をしたことを正直に認めることができる子どもに育ってくれること、また、子どもたちの自己肯定感が様々な機会に育まれることを願い、子どもたちと接していきたいと考えております。引き続き、ご理解とご支援を、どうぞよろしくお願い致します。

                                      校長 世木 佳文

タイトルとURLをコピーしました