H26.4.15
H30.4.2改訂


はじめに
いじめは、いじめを受けた生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがある深刻な人権問題である。
南丹市立園部中学校では、児童生徒一人一人の尊厳を守るため、南丹市・市民・家庭その他の関係者の連携の下、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)第13条の規定に基づき、いじめの未然防止、いじめの早期発見、早期指導と対応及びいじめへの対処(以下「いじめの防止等」という。)のための組織を中核として実効的に対策を推進するため、南丹市立園部中学校いじめ防止基本方針(以下「基本方針」という。)を策定する。

【第1 いじめ防止等の組織】
1  いじめの防止等に関する取組を実効的に行うため、校内に「いじめ防止対策委員会」を置く。

2 「いじめ防止対策委員会」の構成員は次のとおりとし、必要に応じて関係する教職員や専門的知識を有する者その他の関係者を加える。
 校長、教頭、教務主任、生徒指導主任、各学年主任、(スクールカウンセラー、スクール・ソーシャル・ワーカー)

3 「いじめ防止対策委員会」は毎月開催する。なお、緊急に必要があるときはこの限りではない。

4 「いじめ防止対策委員会」では、次のことを行う。
 (1) 基本方針に基づく取組の実施、具体的な年間計画の作成、実行、検証、修正、及びいじめの相談・通報の窓口
 (2) いじめの疑いや生徒の問題行動などに係る情報の収集と記録、共有
 (3) いじめの疑いに係る情報に対して、関係する生徒への事実関係の聴取、指導や支援の体制及び保護者、関係機関、専門機関との連携等対策方針の決定
 (4) 学校いじめ防止基本方針の策定や見直し、学校で定めたいじめ防止の取組が計画通り進んでいるかの点検、いじめの対処に関する検証、必要に応じ
た計画の見直しなどいじめ防止の取組についての検証

第2 いじめの未然防止】
1 基本的な考え方
 いじめは、どの子どもにも起こりうるものであるとともに、どの子どもも加害者にも被害者にもなりうる。このことを踏まえて、全ての生徒を対象に教職員の一致した体制の下、学校、家庭、地域社会、関係者等が一体となって、人権尊重を基盤としていじめの未然防止に継続的に取り組む。
2 いじめの未然防止のための取組
 (1) 生徒指導の三機能を意識した規律ある授業づくりの推進
 (2) 積極的な生徒指導を展開し、自己有用感や自己肯定感を育む取組の推進
 (3) 人権教育、道徳教育の充実
 (4) いじめについて理解を深める取組の推進
 (5) 教職員の資質能力を高める取組の推進
 (6) 教職員研修の充実(ネットいじめ等)と関係機関との連携
 (7) 保護者啓発の推進

第3 いじめの早期発見】
1 基本的な考え方
いじめは遊びやふざけ合いを装ったり、教職員の分かりにくい場所や時間 に行われたりするなど、教職員が気付きにくく判断しにくい形で行われるこ とを踏まえ、生徒が示す変化や危険信号を見逃さないように、日頃からの生徒の見守りや信頼関係の構築等に努める。また、ささいな兆候であっても、いじめではないかと疑いを持ち、教職員全体で生徒の情報を共有しながら保護者、地域と連携を密にし、いじめの早期発見に取り組む。

2 いじめの早期発見のための取組
(1)情報の収集及び集約と共有
  ① いじめが疑われる兆候をとらえたら、教職員がすぐ行動に移す。
  ② いじめに関する情報については、些細な兆候も含め「いじめ防止対策委員会」で情報を共有するとともに、全ての教職員が当事者意識を持ち、一致協力して指導、対応を進める。
  ③ 緊急の場合は、職員会議等で情報を共有する。
(2)全生徒を対象とした定期的なアンケート調査及び聞き取り調査の実施
(3)相談体制の整備と周知
  ① 生徒や保護者の話を聴く環境を整える。
  ② 教育相談週間を実施する。
  ③ スクールカウンセラーやスクール・ソーシャル・ワーカーと定期的に情報を共有する。
  ④ 校内相談・通報窓口を生徒及び保護者に周知する。
(4) 保護者との協働
 ①ネットいじめ等、スマートフォンや携帯・ゲーム機を介したいじめに対する注意喚起と家庭内でのルールづくりの推奨。

第4 いじめに対する取組
1 基本的な考え方
 いじめの発見・通報を受けた場合は、特定の教職員で抱え込まず、速やか に「いじめ防止対策委員会」で情報共有し、今後の対応について検討する。その際には、被害生徒を守り通すとともに、加害生徒に対しては当該生徒の人格の成長を旨として、教育的配慮の下、毅然とした態度で指導し、教職員全体の共通理解、保護者の協力、関係機関・専門機関との連携に努める。

3 いじめが起きた場合の対応
(1)いじめられた生徒に対して
 ア 生徒に対して
  ① 事実確認とともに、つらい今の気持ちを受け入れ、共感することで心の安定を図る。
  ② 「最後まで守り抜くこと」「秘密を守ること」を伝える。
  ③ 必ず解決できる希望が持てることを伝え、自尊感情を高めるよう配慮する。
イ 保護者に対して
① 発見したその日のうちに、家庭訪問等で保護者に面談し、事実関係を伝える。
② 学校の指導方針を伝え、今後の対応について協議する。
③ 保護者のつらい気持ちや不安な気持ちを共感的に受け止める。
④ 継続して家庭と連携を取りながら、解決に向かって取り組むことを伝える。
 ⑤ 家庭で生徒の変化に注意し、どのような些細なことでも相談するように伝える。
(2)いじめた生徒に対して
ア 生徒に対して
① いじめた気持ちや状況などについて十分に聞き、生徒の背景にも目を向け、成長支援という観点を持ちながら指導する。
② 心理的な孤立感・疎外感を与えないようにするなど一定の教育的配慮のもと、毅然とした対応と粘り強い指導を行い、いじめが人として決して許されない行為であることやいじめられる側の気持ちを認識させる。
イ 保護者に対して
① 正確な事実関係を説明し、具体的な行為・言動の事実を伝える。いじめられた生徒や保護者の気持ちを伝え、よりよい解決を図ろうとする思いを伝える。
② 「いじめは決して許されない行為である」という毅然とした姿勢を示し、事の重大さを認識させ、家庭での指導を依頼する。
③ 生徒の変容を図るために、今後のかかわり方などを一緒に考え、ともに生徒の成長を促す。
ウ 周囲の生徒たちに対して
① 当事者だけの問題にとどめず、学級及び学年、学校全体の問題として考え、いじめの傍観者からいじめを抑止する仲裁者への転換を促す
② 「いじめは決して許さない」という毅然とした姿勢を、学級・学年・学校全体に示す。
③ はやし立てる、見て見ふりをする行為もいじめを肯定していることを理解させる。
④ いじめを訴えることは、正義に基づいた勇気ある行動であることを指導する。
⑤ いじめに関する報道や道徳等で体験事例等の資料をもとにした話し合いを行わせるなど、自分たちの問題として意識させる。
(3) いじめの解消については、少なくとも以下の2つの要件が満たされている必要がある。ただし、これらの要件が満たされている場合であっても、必要に応じ、他の事情も勘案して判断するものとする。
ア 被害者に対する心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われることも含む。)が止んでいる状態が3ヵ月を目安として継続していること。
イ いじめに係る行為が止んでいるかどうかを判断する時点において、被害生徒がいじめの行為により心身の苦痛を感じていないと認められること。被害生徒本人及びその保護者に対し、心身の苦痛を感じていないかどうかを面談等により確認する。

4 ネット上のいじめへの対応
(1) 生徒が、周りの大人に相談できる環境をつくる。
(2) 誹謗、中傷等を発見したら、被害生徒の保護を最優先に対応し、直ちに削除する措置をとる。
(3) ネットいじめの背景に従来のいじめがあることも想定しながら、迅速に加害生徒を指導する。
(4) 非行防止教室や道徳・学活で情報モラルに関する指導を徹底する。

【第5 重大事態への対処】
1 重大事態の意味
(1)いじめにより生徒の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
 ①生徒が自殺を企図した場合
 ②身体に重大な障害を負った場合
 ③金品等に重大な被害を被った場合
 ④精神性の疾患を発症した場合等
(2) いじめにより生徒が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認められるとき

2 重大事態が発生した場合は、直ちに南丹市教育委員会に報告し、調査を実 施する主体等を協議するとともに、調査の公平性・中立性の確保に 努め、事実関係を明確にする。

3 調査の状況については、必要に応じて被害生徒及びその保護者に対して適切に情報を提供する。

4 事実関係を明確にした調査結果を南丹市教育委員会に報告する。

5 調査結果を踏まえ、当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な取組を進める。

第6 関係機関との連携
1 家庭・地域との連携の推進
(1)PTAとの連携の下、いじめに対する理解を深める取組を推進する。
(2)基本方針や取組をホームページ、学校だより等で積極的に発信する。

2 関係機関との連携の推進
 加害生徒に対して必要な教育上の指導を行っているにもかかわらず、その指導により十分な効果を上げることが困難な場合等には、警察、家庭支援総合センター等の関係機関と適切な連携を図る。