第79回卒業証書授与式 式辞

 大野ヶ原に立つひばりに春の訪れを感じる今日、京丹後市教育委員会 教育委員様、PTA会長様をはじめ、多くのご来賓と保護者の皆様のご臨席を賜り、第79回卒業証書授与式を挙行できますこと、高壇からではございますが厚くお礼申し上げます。誠にありがとうございます。
 さて、ただいま、卒業証書を授与いたしました81名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
 皆さんがこの1年、生徒会スローガンとして掲げ続けた「新時代」。納得のいく時代を、創り上げることができたでしょうか?
 職員室前の廊下にある部活動の連絡ボード。各部の状況や目指すべき方向、時には先輩から後輩へ、後輩から先輩へのメッセージや全校生徒への感謝の言葉など、それぞれの部はもとより全校生徒がこのボードを活用してつながり合う素敵な場に変えてくれた「定期部活動アピール、通称『TBAP』」。新時代を代表する素晴らしい取組となりました。   
職員室前の廊下からこのボードの内容について話している皆さんの元気な声が、1年を通して校長室まで届いていました。私のお気に入りの場所であり、元気や勇気をいただく大切な場所となりました。
 皆さんが掲げた「新時代」、我々、先生たちも、と今年度、総合的な学習の時間を主に、これからの社会を生きるすべての人に必要となる「探究的な学び」について、皆さんとともに学ぶことにチャレンジしました。
この1年、地元大宮町や京丹後市の事業所、施設の方々、区長連絡協議会や大宮学園運営協議会など地域の皆様、また3年生は龍谷大学の地域創生ゼミの学生の皆さんにもお世話になり、学びの主体者である皆さん自身が「探究のサイクル」を何度も回すことができるようにと、複数回のシリーズで学校にお越しをいただきました。「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」。さらに良い学びにしていくための様々な視点をたくさんいただき、皆さんは我々の想像を遥かに超える学びを深めていきました。
 そして、先日、学習のテーマ「大宮町でもっと幸せに暮らすために自分たちにできること」のまとめの探究として、幼児やお年寄りとのかかわりにスポットを当てて探究した企画を、大宮学園の仲間である大宮こども園、大宮北保育所にお世話になり、実際に取り組ませていただきました。園児たちの心の底から遊びを楽しんでいる生き生きとした姿、中学生の満足そうな表情、そしてその園児と中学生を見ておられるこども園や保育所の先生方の笑顔と歓声、皆さん自身が学びの主体者として探究のサイクルを回し、そして企画したことを実際に取り組むことにより、次なる学び、次なるテーマへつなげていく、まさに「探究力」をこの1年で確実に身に付けたことに、私はとても感動しています。
 この皆さんとの学びにおける「新時代」の取組、大宮中学校の新たな伝統として、さらに深め、発展させていきたいと思っています。
 体育祭で深めた異年齢での関係を学習面にもつなげようと取り組んだ「お久しブロック学習会」。本に親しもうと取り組んだ「文学祭」や保体委員会の取組など「校内」でのつながりと、郊外での小学校児童会とコラボした取組「あいさつビンゴ」など、そのどれもが「新時代」にふさわしいものであり、大宮中学校の新たなページを彩るものとなりました。
 この皆さんの掲げた「新時代」、生徒の皆さん、そして先生たちだけではなく、なんと、PTAの方々の心をも熱くしました。
皆さんが、今の生活をさらに充実したものにしていくために「新時代」を掲げていることに感銘を受けられ、PTAとしても子どもたちを応援し、親と子の関係の更なる安定が子どもたちの今以上のやる気や元気を生み、学校生活の充実や大宮中学校全体の盛り上がりにつながるのではないかと「親子での部活動体験会」を企画されました。
 内容や取組方については、子どもたちからも意見を聞こうとPTA会長さんが生徒会本部役員に思いを伝え、皆さんは、自分たちの新時代をPTAも同じように取り組もうとされていることに感動し、2年生の部長会とも連携して内容を検討、そして各部での見学と親と子で一緒に取り組む体験会や試合などを企画し実施しました。
 当日はなんと200名を超える方々が集まり、大中PTAとしての初の取組となりました。多くの方に参加してもらおうと生徒の皆さんが考え、各部で綴った保護者への招待状、皆さんのその前向きで他者を大切にする気持ちが、役員さんはもとより、保護者や家族の皆さんの心に届き、心を動かした結果だと強く思っています。
 皆さんがこども園や保育所に通っていた頃に、大宮学園としての一貫教育がスタートし、10年が経ちました。そのころ、園児であった皆さんが、今、中学校を卒業します。
 「大切な他者との接し方や友だちの作り方」「新しいことへのチャレンジ」「出会いの大切さ」「周りの人が必ず支えてくれること」「何も心配いらないこと」「大宮町をずっと好きでいてほしいこと」など。
 これは、先日お世話になりましたこども園での交流時の最後に、中学生が園児たちに伝えた内容をまとめたものです。
 この内容は、この10年間の大宮学園での生活の中で、皆さんが自分自身の宝物として育て、大切にしてきた価値観であると思います。
 新時代の創造は、一人一人の「未来の創造」、そのものだと思います。皆さん一人一人が自らの「未来」を創造することこそが、新時代を創ることであります。
 「未来は予測するものではなく、自らが創り出すものである。」私の好きな言葉です。
 皆さんには、今日、何を信じ、どう動くか、毎日の「選択」と「探究」の積み重ねを大切に、未来を切り拓いていってほしいと願っています。
 3月11日、皆さんの企画で取り組んだ「大中祭」。
 準備運動を全校で真剣に行う姿、終わった後に互いをたたえ合う拍手が自然に沸き起こる。こんな集団、こんな学校は全国にもそうないと思います。
 卒業生のリードにより、大中の「新時代」は、見事、創造されました。そして、皆さんの新時代は、確実に、後輩たちへ結び、つながれていきます。ありがとう。
 後になりましたが、保護者の皆様に一言、お祝いを申しあげます。本日は、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。教職員一同、心よりお祝い申しあげます。
 生徒たちが、「新時代」のもと、自分たちの思いを、まっすぐに行動に移すことができましたのも、そのモデルとなる保護者の皆様をはじめ、ご家族とのつながりが、生徒一人一人の心の奥底に心地よい安心感として存在していたからだと思っております。
 4月からも、これまでと同様に、生徒たちが自らの未来、新時代を創造することができますよう導いてやっていただければ幸いです。
 名残は尽きませんが、卒業生の皆さんの一人一人の未来が光り輝くものであることを確信し、あわせて、ご臨席の皆様のご健勝とご多幸を祈念申し上げ、式辞といたします。
  令和8年3月16日  京丹後市立大宮中学校 校長 田辺 健二

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