2月18日(火)に、6年生が特別養護老人ホームみわの里の職員の皆様に講師をお世話になり、認知症サポーター養成講座を受講しました。三和学園初の試みで、「①認知症についての正しい知識を身に付けさせるとともに、認知症ケアやコミュニケーション技術等についての理解を深められるようにする。/②高齢社会の現状と課題について認識し、社会(地域)づくりの主体者としての意識を高める。」という学習のねらいで実施しました。
初めに、アイス・ブレイク(「氷を解かすこと」の意味で、初対面などの緊張を解きほぐすための手法)ということで、「人は、なぜ顔が赤くなるのか」を考えました。児童VSみわの里の皆様で考えを発表し合いました。子どもたちが「緊張」「日焼け」「暑い」とオーソドックスな回答をすると、みわの里の皆様が「飲酒」「肌荒れ」「血圧の上昇」など、大人にしか出てこないような答えで応酬しました。互いに10以上の答えを出し合い、辛くも子どもたちが勝利しました。これで一気に場が和みました。
程よく緊張がほぐれたところで、認知症についての基礎知識を学ぶ講義に入りました。
令和5年に、国民の3人に一人が65歳以上となりました。そして、65歳以上になると増えてくるのが、認知症患者です。65歳以上の5人に一人が、90歳以上になると半数の人が認知症になると言われています。認知症とは、「思い出すこと」や「覚えること」が難しくなる病気のことです。脳が縮んだり、脳の一部が傷付いたりすることで、物忘れがひどくなる、今までできていたことができなくなるとということが起こります。だから、晩ご飯を食べたことを忘れて怒ったり、聞いたことを忘れて何回も聞いたりします。
予防のためには、食生活の改善が大切だとのことでした。さばやいわしなどの「青魚」、きのこ類、納豆、海藻類などを食べたり、バランスの良い食事を腹八分目食べたりすることです。また、軽く汗をかく程度の有酸素運動をする、適度な睡眠、禁煙、ストレス発散なども大切とのことでした。そして、趣味の活動、指先を使った作業、役割と生きがいを持つと言った「脳の体操」が良いとのことでした。
認知症の人は、「今までできていたことができなくなった。」「みんなに怒られてばっかり。」「毎日不安でいっぱいだ。」とどんどん元気がなくなっていきます。認知症になると、覚えることは難しくなりますが、心や感情は残ります。だからこそ、周囲の人の表情や言葉が優しくなることで「不安な気持ち」が「安心した気持ち」に変わるのです。






続いて、みわの里の皆様の寸劇を見ながら、具体的な対応について考えました。
「みわおばあちゃん」が一人で買い物に出ますが、何を買おうとしたのか、どこへ向かっているのかが分からなります。そこに、おばあちゃんをよく知る小学生二人が声をかけ、おばあちゃんの話を聞きます。小学生は、近所の商店の店員さんに事情を説明して、おばあちゃんの娘さんに無事おばあちゃんを引き渡します。



ここでも、優しい気持ちで、優しい言葉で接した小学生二人の対応に大いに共感することができました。
寸劇の後、もう少し具体的に認知症の人との関わり方をクイズ形式で考えました。下に示したのが、その発問と答えです。
・おじいちゃんが認知症かもしれないと思ったときの正しい家族の対応は? → 本人と家族で病院に行く。
・認知症の人とどのように関わったらよいか? → できることをしてもらい、自分の役割をもってもらう。/目線を合わせて笑顔で話す。/少し大変でも、できる仕事(家事)は今までどおりやってもらう。
・おばあちゃんが同じことを繰り返し尋ねてきたら? → 優しく、繰り返し質問の答えを教えてあげたり、話し相手になったりする。
・おじいちゃんが、ご飯を食べたのに「食べていない。」と言ってきたら? → 話題を変える。
・道に迷っているお年寄りを見かけたら? → 近くの大人に知らせる。



講座の終わりに、児童全員にオレンジリングを頂きました。オレンジリングとは、認知症サポーター養成講座を受講した人に授与される、認知症サポーターの証です。



最後に、認知症家族の会・小林代表の話を聞き、代表児童がみわの里の皆様にお礼を述べました。



子どもたちには、この日の学びを是非とも今後の人生に生かしてほしいです。みわの里の皆様、お忙しいところありがとうございました。