9月14日(月)に、すなばコーポレーション株式会社代表取締役社長・角川様にお越しいただき、特別に探究授業「Q to VIEW」をお世話になりました。「『問い』を見つけたり、立てたりするための力を育む。」というのがその目標でした。
「Q to VIEW」は、サントリーホールディングス株式会社主催の下、すなばコーポレーション株式会社が企画・運営する「問いから考えを深める探究型の出前授業」です。1・2校時に4~6年、3・4校時に7・8年が受講しました。
初めに、児童、生徒の代表が「今日の授業をとても楽しみにしてきました。」「問いを立てる力、見つける力を身に付けたいです。」とあいさつをしました。



授業では、ピタゴラス、フローレンス・ナイチンゲールといった歴史上の人物の立てた「なぜ?」「どうして?」という「問い」を映像とともに追体験していきました。
ピタゴラス(紀元前572年頃~494年頃)は、今から2,500年以上前の古代ギリシャの数学者・哲学者で、数学上の数々の発見を成し遂げました。この時代、世界は平面であると信じられていましたが、ピタゴラス派を始め、地球球体説を唱える人たちがいたようです。
そこで、「『世界は平面ではなく球体ではないか?』という問いを生むには、何に注目すればよいだろう?」ということを考えました。ヒントは、帆船だと聞いて、子どもたちはあれこれと議論し、答えを模索しました。「もし世界が平面なら、離れてく船は、どんどん小さくなっていくが、ずっと見えているはず。しかし、そうではない。」「水平線を越えた船は、船体の下から見えなくなっていく。」ということから、「これは、世界が曲がっていないとあり得ない!」となったのです。






フローレンス・ナイチンゲール(1820年~1910年)は、イギリスの看護師、社会起業家、統計学者、看護教育学者で、「近代医療統計学および看護統計学の始祖並びに近代看護教育の母」とも呼ばれています。
ナイチンゲールは、クリミア戦争に看護師として従軍した際、増え続ける死者数に疑問をもちました。そこで、「なぜ、こんなにも人が死んでいるのだろう?」という問いを立て、これを解決するために、病院それぞれの患者数と死者数を正しく把握しようとしました。子どもたちも、データを元に死者数が増えている理由を考えました。






しかし、死者数だけでは、実態が把握できません。さらに、死因別死者数と各病院の実態調査のデータを追加し、話し合いました。






衛生状況が、死者数に大きく影響することが分かりました。ナイチンゲールもそれに気付き、「消毒、換気、徹底的な掃除」を行いました。そうすることで、月に1,000人いた死者数は、約4分の1に激減したのでした。これは、ロベルト・コッホが、人の目に見えない細菌が感染症を広めていることを発見する20年も前のことです。ナイチンゲールは、当時の「当たり前」を変えたのでした。
ナイチンゲールは、帰国後、多くの統計資料を作成し、病院改革のために議員たちへ提出しました。彼女が考案した「鶏のとさか」と呼ばれる円グラフは、クリミア戦争での負傷兵たちの死亡原因を、「予防可能な疾病」「負傷」「その他」に分けて視覚化していて、一目で分かるよう工夫されています。革新的かつ理解しやすく、政策提言に大きな効果をもたらしたそうです。


ピタゴラスは、疑問をもち、自然現象を観察することで、「世界は、球体ではないか?」という問いを生みました。ナイチンゲールは、「当たり前」を疑い、数字を使って考えることで、「病院の衛生環境を整え、病気を防ぐという新しい『当たり前』」を生みました。
世界の見方を変えてしまった二人の「問い」を知ることで、児童生徒は「凄い!」と感心していました。
さて、ここから、児童生徒自身も「お題カード」と「視点カード」を使い、ゲーム感覚で問いを立てる体験を行いました。
「車」「国境」「学校」などの「お題カード」に掛け合わせてみたい「視点カード」(例えば「□は、どのような問題を引き起こしますか?」「□をよりよくするには、どうすればよいですか?」など)で問いを作り、それについて一言コメントをしていくというものです。このプロセスを通して、「正解のないテーマに対して、自ら問いを立て、考え続ける力」を育むのだそうです。






最後に、児童、生徒の代表が「観察したりして問いを生み出すことの大切さを知りました。」「グループ活動では、いいことも悪いことも考えることで、新たな問いが生まれることが分かりました。」とあいさつし、全員で「ありがとうございました。」と感謝を伝えました。






「当たり前の現実に『視点』が加わることで『問い』が生まれる」ということを忘れないようにしたいです。角川様、貴重なお時間をありがとうございました。